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釣った魚に餌はやらない_24
「怖くしないですから。ゆっくりします。息は止めないでくださいね」
俺は子供か!とツッコミたくなるぐらい声音は優しい。
まさか自分がそんな台詞を言われる側になるとは。
僅かに指が押し入る感覚がして身体が強ばった。
「あっ!ばっ……」
「思い出してください。以前こうして中を弄った時のこと。気持ちよかったでしょう?」
「ぅ……んぅっ……」
身体が疼くような囁きに慌てて自分の口を覆った。
「ふっ、声出ちゃいますか?」
ずぷずぷと埋め込まれていく指は細いくせに、やたらと存在感がある。
「指、締め付けてきますね。少しは中に入れられる感覚に慣れました?」
「んな……わけ、ある、かっ!」
「前よりも抵抗少ないですよ。少し動かします」
丸々入った指一本が微かに動く。
「うっ……や……ぁ……」
「痛くはないでしょう?」
確かめられるように瞳覗かれて、何だか腹が立った。
「……ん、だよ……っ」
「なんですか?」
「今、まで……散々……勝手に、した……のに……」
そうだ、なんで今更……。
「んで……優しく、すんだよ……っ……」
だから俺は拒みきれない……。
「……それは……酷くされたいと?」
「違っ……そうじゃない!」
「ふふ、分かってますよ。……僕が最初に言った、先輩みたいに気が強い人をグズグズに抱き潰すの好きだと言うのは本当なんですよ。反抗的な目を見ると興奮する」
……ああ、コイツ間違いなく変態だな。
「でもね、それ以上に気持ちよくて善がりながら眉尻を下げて泣く貴方はもっと僕を興奮させる」
「な、に……」
「だから優しく抱いて、何もかも分からなくなるぐらい快楽に溺れさせたい。こんなこと思うの先輩が初めてですよ」
苦笑した蓮沼は続けて困ったものですね、と口にした。
「僕が優しくするのは嫌ですか?」
同時にくるりと回される指は些か卑怯だろ。
「……ぁ…ッ…くっ……ど、すればいいか……わか……らなくな……っる……」
「簡単ですよ。そのままで良いんです。先輩は先輩らしく」
抜き差しを始めた指が滑りの良さを伝えてくる。
「ふぅ、ん……っ……」
「もう一本入れますね」
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