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釣った魚に餌はやらない_25
侵入してきた二本目の指は滑りがいいのか一本目よりもスムーズに入ってくる。
「開きます」
「ぁ……っ……!?」
埋め込まれた二本の指がバラバラと内壁を弄る。指の根元は入口を広げるように蠢いた。
「ぁ……う……っ……」
「ほら、息止めないで」
「わかっ、て……る………ぅ…けど……っ」
「先輩、前立腺擦りますから声我慢してくださいね」
「ぅ、え!?む、無理っ、無理だって!あ……っ……!」
的確な指先が前立腺を掠める。
「ぁん……っ……ば、……かや……ッ……ろ……」
「しーっ、静かに」
声が大きいですと指摘をされて両手で口を塞ぐ。
「ん……んぐっ………」
必死に鼻から酸素を入れるがなかなかに息苦しい。
「大丈夫ですか?息吸えてます?」
優しい言葉とは裏腹に指は変わらず前立腺を擦り続けてくる。
「ん、んん……っ……!」
「え?何です?」
心配するぐらいなら指止めろ!そう言ってやりたいのに蓮沼には伝わらず、逆に擦る力が強くなる。
「んぅ……んっ……ん!」
「ん?こうですか?」
バラバラに動いていた2本の指が同時に前立腺を擦りあげて、腰が揺れ浮く。
「んぐっ……ふぅ……うっ……」
「そんなに腰を突き出されたら食べたくなっちゃうな」
コイツ……絶対わざとだろ……!
睨み殺してやろうかと目を向けた瞬間、一際強く擦られる感覚がして、思わず口を塞いでいた手を離してしまう。
「あッ!ん……っ……ば、強……いっ……てぇ……」
「でも腰を揺らして自ら擦り付けてますよ、僕の指」
「違っ……違う……ぅ……こんな……」
「気持ちいいなら、好きなだけイって」
ああ、だから嫌なんだ。
優しい言葉なんて、身体が抗えるわけないのに。
「だめ、だめだ……イく……っ……イくから……ぁ」
「ええ、どうぞ」
「んぁ……あぁ…っ!」
二回目の射精は昂りを触られることなく吐き出してしまった。
何してんだ……俺…………。
あまりの羞恥に顔を両手で覆うと、部屋の壁がドンッと音を立てた。
「な、何……?」
驚きに目を向けると「うるさいっ!!!!」と怒鳴り声が壁越しに聴こえたきた。
「ああ、多分兄さんですね。隣の部屋なんですけど、寝起きがかなり悪くて」
蓮沼はクスクスと笑うが、俺は血の気が引いていく。
「ま、まさか声聴かれ……」
「大丈夫ですよ。言ったでしょう?寝起き悪いんです、覚えてませんよ」
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