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もっと優しく

 塾帰り、一緒に川べりを歩いていた幼馴染が突然言い出した。 「この辺、浅いな。泳ごうぜ」 「……何言ってんの? 水着も着替えもないじゃん」 「細かいこと言うなよ。良いじゃん、どうせ今年はプールも海水浴も行けないし」  さっさと靴下とTシャツを脱ぎ捨てた彼は、僕の服も脱がせようとする。距離感バグってるよ、お前。人の気も知らないで。僕は僅かに抵抗し、おずおず自分の服を脱ぐ。彼の掛け声で、一緒に飛び込んだ。川から上がって震える僕に、彼はスポーツタオルを頭の上から被せ、乱暴に髪を拭く。 「……もうちょっと、優しくしろよな」  照れ隠しに、ぶっきらぼうに呟くと、急に僕の唇に彼の唇が不器用にぶつかった。 「……冷たそうだったから」  拗ねたような表情を浮かべる彼に、僕からもう一度くちづけた。 「今のファーストキスだったんだぞ。やり直し。もっと優しく……」 #ルクイユの夏恋BL への投稿作品です。

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