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第1話

俺が王国のサモセク騎士団育成学校に進んだのは、幼い頃から親父に訓練を受けさせられ、その親父が騎士団の団長を務めていたからだ。 何か他にやりたい事があった訳でもなく、馬に乗るのが好きだった俺はそのまま学校を首席で卒業し、親父が引退した後にはなったが騎士団に入団。 そこでメドヴェージツァという名牝に出会い、彼女のお陰で史上最年少で団長にもなれた。 領地争いが長らく続き、彼女に乗って戦い続ける日々。 そんな中、彼女は脚に重傷を負い、死んでしまった。 国に一緒に帰る事は勿論叶わず、俺は彼女のたてがみを切り、持ち帰っていた。 俺のせいだ。 俺が彼女を死なせてしまった。 絶望した俺は団長の座を降り、騎士団も辞めようとした。 が、それなりの戦果を挙げていた俺の退団を、国王陛下が惜しんで育成学校で教官をするよう直々に告げられた。 「君にはまだまだここにいて欲しい。君の力が必要なんだ、ミハイール」 国王陛下からのお言葉を無下にする訳にもいかず、俺は全く興味はなかったが教官となった。 ……そこで人生を変えるような出会いをするとも知らずに。

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