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幼馴染み

幼馴染みだった僕と奏太の間に重たい空気が流れるようになったのはいつからだろう? ずっと仲良しだった二人。 笑顔で走り回っていた二人。 あんな日はもう戻って来ないのかな? あの日から僕たちの運命は変わってしまったんだ…。 ――高校1年の夏休み―― 毎日一緒に過ごしていた僕たち。 あの日は僕の部屋で夏休みの課題をしていた。 いつものようにバカな話をしながら笑っていたのに…。 「消しゴム…あっ、あった!」 書き間違いに気づいた僕が、奏太の側にある消しゴムへ手を伸ばした瞬間…… バランスを崩して倒れそうになった。 その体がフワッと何かに包み込まれる。 えっ……? 「あっ、あ……」 一瞬で奏太の匂いが広がる…。 言葉にならない声で僕が動けないでいると、抱きしめられている腕が更に強くなったことを今でもハッキリと覚えている。 そのせいで、自分の体が熱くなったことも…。 「ったく、気を付けなきゃダメだろ?」 そう言ってスッと解放された体から、奏太の温もりが消えていく…。 何事もなかったように僕に向かって微笑むと、また下を向いて課題を始めている。 それなのに、僕の心臓は煩いくらいに音を立てていた。 静まることなく、奏太に聞こえてしまうんじゃないかと思うほどに…。 「それじゃあ、また……」 僕の家から出ていく時に言ったこの言葉が、奏太との最後の会話。 次の日から、奏太が僕の家に来ることも隣に並ぶこともなくなってしまったから…。

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