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23.プレゼント

   私服に着替えた俺は、今度はゴスロリみたいな店にまで連れて行かれそうになった。  猫野はもう復活している。スポーツマンって丈夫だな。  ロリータみたいな服を着た店員さんの目がギラギラしていて怖くて、足を踏ん張りイヤイヤと首を振ったらさすがに二人とも辞めてくれてホッとする。  これがどこかのヤンキーだったら絶対連れて行かれてたな。  その後はゲームセンターに行ってプリクラを撮った。  もちろん俺は初めてのプリクラだ。  どんなポーズをしたら良いの分からなくてピースだけしてたけど、二人から色々ポーズを指定され、最後は女豹のポーズ(と俺は呼んでる)を三人でした。流行ってるのかなこの招き猫みたいなポーズ。  ついでにゲームも教えてもらって、下手すぎて最低得点だったけど凄く楽しくて、時間はあっという間に過ぎてしまう。  夕方になって、学校の近くで解散になる。  寂しいなって思ってたら、夢野がグループラインを作ってくれて、そのプロフィール画像は今日撮ったプリクラでなんとも言えない喜びが心を満たす。  楽しかったな、また来たいと思えるほどに。試着はもうしたくないけど。  寮に帰ったらさっそく今日撮った写真が二人から送られてきた。  三人でハンバーガーにかぶりついてる写真やゲームセンターで銃型のコントローラーを構えてる写真があの時の楽しかった時間を思い出させてくれる。  しかし試着の写真にあの時のいたたまれなくて恥ずかしくて精神的に疲労した思いがぶり返してもう止めてくれと訴えた。  一通りラインをし終わったら、紙袋を手元に引き寄せる。  それは二人が僕に買ってくれた物だ。  まさかこんな物を貰えるなんて思ってなくて、俺は何も用意してないから焦ったけど、自分達がルイにあげたかっただけだから気にしないでと言われた。  友達から誕生プレゼントすら貰ったことがない俺は感動しすぎて泣きそうになった。  友達ができて、休日に遊んで、プレゼントまで貰って、学園に入学してから夢のような体験ばかりしてる。  そんな浮かれた気持ちのまま水色の紙袋を開けるとルームウェアが入っていた。  優しいパステルカラーのふわふわと肌触りの良いルームウェア。  下は太もも半分までのショートパンツで、上はパーカーでフードには耳が…… 「……なぜ?」  なぜショートパンツ、なぜフードに耳、てかこれ女の子用だと思うのだけど。  試験が終わったら部屋にあそびに行っていいかと言われたが、その時これを着ていないといけないのだろうか。  友達付き合いって難しいんだなと思いながら耳だけでも取れないかと悩むのだった。  ※おまけ 〜ゲームセンターでのアリス〜 「えっ、まってアリスそこやだ……、待って入っちゃやだってそこダメっ、あっ──! ほらゾンビ出てきたぁ!!」  ルイ側に襲い来るゾンビを全部撃ち抜く。  前かがみになってる野郎どもさっさとトイレに行ってこい。  後で僕も行かないといけないんだから。  おわり

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