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33.勉強を終えたら

   寮へ戻り、他人の目が無くなった事に安堵して勉強を再開した。  相変わらず先輩はご褒美と称した嫌がらせをしてくる為に度々攻防戦となったが、何だかんだでそれなりに勉強は進んだと思う。  ジャージのままで良かったのにわざわざあの耳付きのルームウェアに着替えさせられたのは、嫌がらせ以外の何物でも無いだろう。  後輩をからかうのはそんなに楽しいか。  そんな訳で勉強を終えた俺は、先輩の膝の上にいる。何故か向かい合わせで。 「……今度は何ですか?」  まともな答えは期待出来ないが、それでも聞かずにはいられなかった。  先程までは勉強を終えて死んだ魚のような目をしていた癖に、今は目を爛々と輝かせて実に楽しそうに俺の太ももを撫でている。 「抜き合おうぜ」 「はぁ……」  抜き合うって何をだ。白髪でも抜き合うのか。まだ生えてないと思うけど。  膝に乗せられる事を散々抵抗した後の疲れていた頭で訳のわからない事を考えていたら、俺の太ももを撫でていた右手がするりとそのままズボンの中にまで入ってきて心臓が飛び跳ねた。 「ぅわっ! ちょっと先輩! 何してるんですか!?」  逃げようにも先輩の左手は俺の背へとしっかり回されていて距離を取れないどころか更に引き寄せられて二人の体が密着する。 「だから抜き合うって言ってんだろ……?」  耳元でわざと息を吐きかけるように言われたら、嫌でも体は敏感に震えてしまう。  密着した体から感じてしまった先輩の昂ぶった熱に、『抜き合うってそっちか!!』と先輩の言葉を理解してしまって無駄だと分かっていても抵抗した。  

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