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74.さて、どこに行こうか

   兎月生徒会長の事、学園の良くない雰囲気、猫野への嫌がらせ、様々な出来事が頭をぐるぐる回ったまま休日を迎えた。  会長の事はもう考えても仕方が無いんじゃないかと思えてきた。なんせ本人が返事を求めてないのだから。  なんか良く分からないがタイミングが悪かったのだろうから、ならば会長の良いタイミングで改めて返事をすれば良い。と言う訳でこの問題は一旦保留。  問題なのは残りの二つだ。  猫野の退部は無くなったにしても嫌がらせを受けた事実は無くならない。  もしや学園の雰囲気が悪いのも何か関係があるのだろうか。  トークアプリのグループトークで二人に思い当たる事は無いか尋ねてみたが、心配しなくても大丈夫と言われただけだった。  二人は何も知らないのだろうか。  俺が出来る事は何も無いのだろうか。  そして、白伊先輩は今何してるだろう。  ここの所会えていないし、トークアプリでの会話も無い。  前に会った時は何か忙しそうだったし、あまりこちらから連絡を取るのもはばかられる。  ぼんやりとしたまま机に向った所で頭には入らず、せっかくの休日だし気分転換でもするかと私服に着替えて部屋を出た。ついでに情報も集められるといいのだけど。  さて、どこに行こうかな。  ※ ※ ※  せっかくの休日だからとゴロゴロしたかったが、そうも言っていられなくて僕はベッドから身を起こす。 「夢野どっか行くのか?」  それなりに仲良くやってるルームメイトが寝転んでゲームをしながら声をかけてきて、一緒にゲームしようぜと視線を送ってくる。 「ちょっと用事があってさ。ゲームはまた今度ね」  僕が最近嫌がらせを受けている事は知っているが、特に態度を変えるずに接してくれている彼には感謝している。  かと言ってずっとこのままって訳にもいかないから、休日の今日、行動する事にした。  これ以上ルイとの関係を邪魔されてたまるか。 「帰りジュース買ってきてー」 「気が向いたらねー」  学園指定のジャージに着替えて部屋を出る。  さて、ある程度探ってはいるけれど、今日はどこをつつこうかな。  ※ ※ ※  今日の部活は午前のみだったが、しばらく休部していた俺はいつもより少し息が上がっているように感じた。  自主練はしていたが、やや体が鈍っていたようだ。  俺が部活に復帰した時は皆喜んでくれて、ノリの良い先輩なんかは「お前なかなか悪じゃんか」とネタにしてイジってきた。  俺が戻る事で部活内の雰囲気が悪くなるんじゃないかって不安もあったが、杞憂に終わり安堵する。  シャワーで汗を流したら食堂で空きっ腹を満たした。  寮の部屋へ戻り、スマートフォンを確認する。  もう荷物は全て部屋に置く事にしている。たとえ鍵があってもロッカーは信用出来ないと学んだからだ。  友人のメッセージに返信してジャージのまま再び外に出た。  部活は終わったが鈍った体をもっと動かしておいたほう良いだろうと軽くランニングをする。  さて、どこら辺を走ろうかな。  

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