94 / 151
V.S 18
はじける水風船みたいに爆発し、破裂したヘリからこぼれ落ちて来たのは、真っ白な煙。
ヘリの破片と共に落ちてくるのは、バラバラに崩れていくヘリにまきついていた触手だった。
空へ伸びた姿のまま、固まり、崩れ落ちていく。
ヘリに満載していたのは、液体窒素だった。
-190℃近い温度のものが気体に変わりながら降ってくる。
全てを、凍らせながら。
そして、高濃度の窒素は一呼吸で生物を死に至らせる。
全てを凍らせられなくても、殺すことはできる。
触手の化け物も、所詮、生き物でしかない。
僕とは違う。
真っ白な煙に、触手も僕も覆われた。
僕の意識はさすがにとぎれた。
触手の化け物も僕も凍りついた。
ともだちにシェアしよう!