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先輩の元カノさんも絡んでいるし先輩はこの事を知っているような気がした。 彼女さんのことはナシにしても、今までだって時折、律仁さんの心配をしている節は見られてたし……。 渉太は検索したくはなかったが、その場で律の週刊誌についてのニュースをネットで確認した。 率直に言ってショックだった。 律仁さんが律であることも、大樹先輩の元カノさんと律が抱き合っている写真も。 じゃあ、最初から律仁さんは俺が律のファンだってこと知ってたんだろうか。 真剣に俺の過去を聴いてくれていた律仁さんはどういう気持ちで聞いていた? あのウチに泊まった時の律仁さんは何だったのだろうか。 至近距離まで迫ってきては、キスされそうになったあれも律……。 情報の整理もつかないまま虚無感に襲われる。 「みんな悪い。ほんと知らないんだ。そのこともアイツ自身のことも初めて知った」 「えー嘘ですよね?」 「ホントだ。いーから、この話は終わりな。すまないけど急用があるんだ。渉太、講義の先生が呼んでたから一緒に来てくれないか?」 納得がいかず、一向に食い下がらない彼女達を強引に遮るように俺の名前を呼ばれてスマホから顔を上げた。 大樹先輩が手招きしてくると、扉を開けては、一緒にくるように促してきている。 大樹先輩と一緒の講義ではないのは分かってる。多分、しつこい彼女達から逃げる口実。 そして、俺自身も大樹先輩と話がしたかった。 渉太は冷たい視線が刺さる中、彼女達を横切っては大樹先輩が待つ出入口へと向かう。 女性は噂好きとはよく言うが、講義室を出る直前、彼女達が「絶対なんかあるって」「友達なのに知らないわけなくない?」「律だって分かってたら一緒に写真撮ってもらったのにー」と超有名人のゴシップネタなだけに、彼女達の物凄まじさを目の当たりにした。

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