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都心の夜景が一望できる大きな窓に暖色系のカーテン。家具は濃いめブラウン系と白で統一している。部屋に入るなり大樹は「相変わらず芸能人って感じの部屋だな」と感想を漏らしてはテレビ前の来客用の一人がけソファに腰を掛けた。
律仁も大樹の後に続いてコーナーソファの真ん中に腰をかける。
「律仁、まずお前に謝らないとな。すまなかった」
腰を下ろすなり、大樹が両膝に手をついては、深々と頭を下げてきた。
「彼女のこと、信じたくてお前に強く当たったこと謝るよ。結局、律仁の言った通り
彼女、俺だけじゃなくて地下線アイドルとも付き合ってた。お前にも目をつけてたなんて思わなくて、迷惑かけた本当にごめん。」
大樹のことは怒ってなどいないし、恋は盲目とよく言ったように仕方のないこと。
自分の中では既に終わった話だった。
「構わないよ。俺も言い方とか大樹を尊重してやれなかったのも悪かったし、それよりこれ。見てくれない?」
律仁は自分が撮られた週刊誌を大樹に差し出すように置く。
大樹は置かれた週刊誌を手に取ると数枚捲ったところで手を止めていた。
一瞬にして大樹が青ざめては「これってまさか…」と震えた声音で俺に問いかけてくる。
「明日発売の週刊誌。お前の彼女が売ったんだって。警戒はしてたけど俺もあの時撮られてると思わなかった」
「俺のせいだよな……」
大樹は見た目通り俺とは逆で頼りになって信頼が信頼が厚くて真面目な奴だ。
よく律仁のことも細心の注意を払って援護してくれたり、口裏合わせてくれたり……。
責任は感じていたところに更に追い打ちをかけるようになってしまった。
「気にすんな。お前は悪くない。どうせ、俺が断ったからの腹いせだろ?」
「それでも本当に申し訳ない……」
律仁は大樹が気負いしている気持ちを軽くしようと楽観的に話を持ちかける。
「渉太もだけど真面目すぎ、少し肩の力抜かないと吉澤みたいに脳みそカチコチになるよ」
目の前の男の険しい表情を解きたくて、
律仁は冗談を混じえては自分の眉間を人差し指で差し、本人に解かすよう促した。
大樹は「吉澤さんに失礼だろ」なんて言いながらも、僅かに肩の力が抜けた気がした。
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