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「ただ俺は律仁さんともっとキスしたくっ…んっ」 羞恥を隠すための言い訳が終わらないうちに首筋にキスを落とされて、身体がビクりと跳ねる。 「ごめん。本当に嫌だったら言って?すぐやめるから」 跳ねた身体に驚いて渉太が肩を掴んで剥がそうとしたからか、それに反応した律仁さんが顔を覗き込んで様子を伺ってきた。 「いっ、嫌じゃないですっつ、続けて下さいっ……」 渉太の言葉を合図に再び首筋に律仁さんの顔が埋まる。首筋を吸われ、背中からこそばゆいようような感覚を覚え胸がザワつく。 律仁さんにキスされている所から次第に熱を感じる。それが気持ち良くて、息が漏れそうになるのを必死に律仁さんの肩にしがみついて我慢した。しかし、不意に耳の裏を舐められて思わず声を上げてしまった。 「ふっ……」 声を出した事で味を占めたのか、律仁さんは 「もっと渉太の声を聴きたいな」と耳元で囁いてきては、耳元から首筋にかけて執念に攻めてきた。その度に背中がゾワゾワっとして、擽ったい。ふふふっと笑いそうになる耐え難い状況に逃げようとするが、腕を背中に回され、キスを続行させられる。 「ひゃ……りっ律仁さん……そこは…ダメですっ」 渉太は胸を強く押したことで、漸く止められると「じゃあ、口は?」と問われたので大きく頷いた。待ちわびていたかのように重なる唇。律仁さんが顔を傾け2、3度貪られるようなキスをされた後、渉太は閉じていた唇を解いた。 自分の口内に侵入してきた律仁さんの舌先。 渉太もそれに応えるように追いかけては絡め合わせる。 自分の舌先の限界がもどかしくなるくらい、 もっと奥まで触れたい……。 律仁さんでいっぱいにしたい……。 「んっ……んっ」 なぞられる上顎に腰が疼く。 律仁さんにしがみついているのが、やっとなほど蕩けそう。暫く濃厚なキスを交わした後、鼻先に軽くキスをされて顔をまじまじと見つめられる。 「渉太、脱がされるのと自分で脱ぐのどっちがいい?5秒以内に答えて?」 「えっ」 キスの余韻に浸る暇もなく、予想外の質問に戸惑いながらも、「5秒前ー」と煽られて渉太は狼狽える。「よん、さん、にー」と迫り来る制限時間に渉太は咄嗟の判断で「自分で脱ぎますっ」といつもより勢いよく答えると律仁さんに笑われた。 「なんで笑うんですかっ!律仁さんが5秒前なんて言うから……」 「渉太は真面目だなーって、でも残念。俺としては脱がせたかったのに……」 パジャマの襟から覗く鎖骨を人差し指でなぞられ、渉太はこそばゆさに肩を窄ませる。じゃあ何で聞いてきたんだと律仁さんの意地の悪さに突っ込みたくなったが、俺が緊張して怖がらせない為に場を和ませてくれのだと直ぐに分かった。

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