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尚弥ってこういう性格だったっけ……と考え直したくなるくらい、心做しか隣の誰かさんに似ている気もしなくもない。
藤咲が俺を揶揄って面白がっている一方でその姿を見ている律仁さんの表情は険しいまま。
「渉太、疑うみたいな真似してごめんね。渉太のことは信用してるから安心して?ただ尚弥くん、いくら渉太の友達だからって必要以上に絡まないでくれるかな?渉太をからかっていいのは俺だけなんだけど?」
律仁さんだけが俺に揶揄っていいかなんて誰が決めた訳じゃないし、ツッコミどころはあるが、一先ず、誤解は解けていたみたいで安堵はした。
「やっぱり警戒してるじゃないですか。そっちこそ、余計なお世話なんでやめてくれます?」
「余計なお世話?渉太にしか心開けていない君にお友達を紹介してあげてるんだけど?これを機に視野広げてみたら?」
売り言葉に買い言葉のように藤咲も負けじと律仁さんに反論するので流れる空気は変わらずでむしろ余計に火花が見えてそうなくらいバチバチとしている。
いつも場の空気を和ませてくれる律仁さんも、俺の事になると大人気なく一歩も引き下がらない所は恋人として嬉しくあるが、正直扱いに困るところだった。連絡先を知っている中だというのに本当に仲がいいのか疑問になる。
大樹先輩も苦笑いを浮かべているし、このままでは、とても落ち着けるような食事の席にはならない。大樹先輩が「お前らやめとけ」となんとか場を収めようとしていたが、逆効果だったのか「大樹は黙ってろ」「あなたは黙っててくれますか?」と二人に威勢よく返り討ちにされて黙り込んでしまう。
殺伐とした空気が苦手な渉太は、どうにかして打開策を考えている間にもヒートアップしていく。そんな収まることのない二人に痺れを切らした渉太はテーブルを叩いては椅子をガタンと音を立てて立ち上がった。
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