「渉太、自分で前弄れる？」 　渉太は律仁さんに問いに、こくりと頷くと右手を撓った先端へと伸ばした。 　自分で処理をするときのように上下で扱いては気持ちを紛らわせる。時折、律仁さんの甘い声で煽られていくうちに、再び先端が角度をつけはじめた。そのうちに片方の胸の蕾を律仁さんの左手で弄られ、更に快感が押し寄せてきたことで、入り口の違和感も薄れていく。 「はぁ……んっ。律仁さん……」 「渉太、きもちい？指入るようになった」 　ゆっくりと優しく律仁さんに解されたことによって、最初の緊張はもうなくなっていた。　 　頭がぼーっと熱に浮かされ、緩やかな刺激に心地よさを感じていると切羽の詰まったような声で、名前を囁かれる。 　両腿の間を明らかな質量をもったモノが割るように入ってくると、律仁さんの身体と密着した。 「渉太、ごめん。俺、我慢できなくなってきたから太腿貸してくれる？」 　両腿をきつく閉じる様に促され、律仁さんのモノを自分の太腿で挟むように立つ。自分のが、明らかに小ぶりだからなのか、睾丸の下から顔を覗かせる程の質量のある亀頭に思わず喉を鳴らした。 腰を両手で支えられて激しく腿に擦れていく感覚が気持ちいい。 「……ひゃんっ」 「はぁ……はぁ。渉太……」 　石鹸の滑りで擦れて密着した肌の感触と、猛った律仁さんのモノが出し入れされるたびに自分の睾丸を刺激する。 自分で扱いていなくても律仁さんに突かれる度に快感のようなものが押し寄せ、自分の先端から出る雫が溢れて止まらない。腰が揺れると同時に上下に雫をこぼしながら揺れる。腿に伝い、竿に滴っている液は自分のものか律仁さんのか分からないくらいに混ざり合っていた。 「はぁ、しょうたぁ……」 「あっ、はぅ」 　背後から律仁さんの右手人差し指が口元に回され、渉太をそれを甘噛みする。指を咥えて舌先で転がしていると、指に嚙みついたお返しのように、首筋に噛みつかれる。 「はぁ·····渉太、エロすぎ·····」 「んっ·····りふ·····ひ·····ろさんらって·····」 　低くて甘い息が耳元にかかり、エロいなんて言われたら興奮しないわけがない。腰が抜けそうになる程、渉太の下肢の限界も近かった。 　次第に律仁さんの動きが緩やかになり、口腔内の指が引き抜かれ、壁に右腕をつけてきた律仁さんは「はぁ……」と低くて甘い声を囁いてくると、白濁としたものが浴室の壁に飛び散る。律仁さんものだろう。 渉太もその声に先導されると、ほぼ同時に達していた。