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大晦日の特番と律仁さん㉓

ぐったりとベッドで横たわる渉太の隣で、後頭部を優しく律仁さんが梳き撫でてくる。事後の余韻で全裸でも気にならなくなるのか、向かい合わせに密着した素肌が心地良くて、彼の胸元に顔を埋める。  結局、律仁さんの借りていたシャツは俺の爆ぜたもので汚してしまったし、体中も汗でべとべとだったが、正直なところ、動くのが億劫だった。  そんな疲労困憊の渉太を汲んでくれたのか、律仁さんに「シャワー明日の朝にしよっか?」と提案され、ボディシートで身体を拭ってくれた。彼氏に何から何までやってもらうなん申し訳なく感じたが、律仁さんの優しさについつい甘えてしまう。 汚れた服は律仁さんが洗濯機にぶち込んでくれて、そのまま二人で布団に潜り、今に至る。 「すみません……。律仁さんの服、汚しちゃって」  最中は律仁さんにしがみつくのに夢中でシャツを着ているのをすっかり忘れていたし、なんなら捲り上げられて全部はだけてしまっていた。 「謝らないでよ。別に気にしてないし。それに渉太の匂いが上書きされたから、あのまま洗わなくてもいいかなーって」 「ダメですっ。洗ってください」  思いもよらない律仁さんからの爆弾発言に思わず顔を上げると、律仁さんは笑いながら「はいはい、分かってるよ」と渉太の反応を見て面白がっているようだった。  ふと、律仁さんが渉太の頭に顔を埋めて微かに笑う。 「どうしたんですか?」 「今日の渉太は一段と可愛かったなーって思って」  改めて言葉にさせれると胸が擽ったくて恥ずかしい。 自ら律仁さんを求めていた気がするから……。 「それは……。やっぱり俺は律仁さんのことが凄い好きなんだなって思って……」  渉太は照れ隠すように、律仁さんの背中に腕を回して強く顔を押し付ける。ふと、下腹部に硬い突起物が当たった。 「あの……。律仁さん……」  さっきシたばかりなのに既に元気になっている律仁さんに驚いたが、彼も彼なりに照れているのか、見上げると首筋を真っ赤に染めて両手で顔を覆っていた。 「もう……。渉太の馬鹿」 「ば、馬鹿って……俺は正直な気持ちを伝えたまでですっ」  いつもは自分が可愛いと言われてばかりでそれに狼狽えているけど、不意に見せる律仁さんの照れてた姿は、渉太でも悶えたくなるほど数倍可愛く見える。律のようなクールさはなくても格好良さと可愛さは、根から持っているものなのだと実感させられる。  そんな人と目の前にいて、こうやって肌を触れ合わせている自分はなんて贅沢者なんだろう。 すると、律仁さんの悪戯な指が渉太の事を終えて萎んだ竿に触れてくる。 「ちょ、ちょっと何するんですかっ。俺もうそんな体力……」 「無理させないって思ったけど、これは渉太が悪いんだからね?俺ばっかり性欲お化けみたいに思われて悔しいから、もっかいする?」 「し、しないです‼」 肩を押して距離を取ろうとしても、腰をしっかり抱かれて逃げられない身体、このまま二回戦が始まろうとしていることに戸惑っていると、下肢の指先が離れ、前髪を掻き分けられて額にキスをしてきたと同時に「じょーだんだよっ」と律仁さんが笑みを浮かべて返してきた。

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