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・祓魔師や魔法、陰陽師や陰陽術などの設定がふわっと出てきます
俺の住んでいる世界は少し不思議なところである。
住人は皆お化けや幽霊、妖怪の類を信じているし、実際に奴らは存在している。今こうして見回りをしている間にも…ほら、浮遊霊が3体うろつき始めた。
俺の家系は占術中心で過激派の少ないことで有名な陰陽師一派だ。だからその血族である俺も陰陽術は使える。
コイツらは悪霊ではなくただの浮遊霊だから適当にあしらうか、と奴らを見据えた時、がさがさと音を立てて茂みから人が出てきた。
「センーっ!」
「お前かよクソマリモ…」
マリモみてぇな黒もじゃの髪に瓶底眼鏡をかけたコイツは転校生である前嶋 ・ランス・明日香 だ。ハーフである前嶋は祓魔師 の血をひいていて、霊の類を見つけると善悪の判断をつけずに見境なく攻撃をする癖がある。
おかげで奴が起こした器物破損や傷害未遂の案件で俺たち生徒会や風紀の仕事が増えてしまい、そんなトラブルメーカーの前嶋を俺はある意味の敬意を表して『クソマリモ』と呼んでいた。
…まぁ、悪い奴ではないんだがな。
「セン!こんなとこで何して…ってあーー!」
前嶋が俺の後ろを指差して叫ぶ。
「ああ、コイツらはただの浮遊霊だから退治する必要は…」
「せ、センッ!悪霊だぞ!」
「聞けやクソマリモ」
「今俺が追っ払ってやるからな!」
「聞けっつってんだろが」
前嶋は空中からぶんっ…と杖を召喚すると何やらぶつぶつと呟き始め、その杖を此方に向けて声を張り上げた。
「テレトラスポルト!」
呪文詠唱の後に出現した光の玉は徐々に密度と大きさを増し、浮遊霊の方に…ではなく何故か真っ直ぐに俺へと向かってきた。
「あ゙!?」
「センッ避けろ!」
「無理に決まってんだろ…!」
既に広がりきった巨大な光の玉は最高速度で此方に向かっていて、どう避けても当たることは必至だ。
「チッ…!」
前方で腕を交差させてもまったく意味はなく。
「センッ――――!!」
俺に当たった瞬間に光の玉が霧散する。
前嶋の叫び声を最後に俺はその場から姿を消した。
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