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5 ※R18
目の前にいる男の口から『茜 』という名が紡がれた瞬間、最後の決め手が無くて曖昧になっていたものがはっきりと見えた気がした。背筋がぞわりと粟立ち、目の前の男にどうしようもなく惹かれる。
茜から香ってきた匂いが俺の欲を刺激して、気づいた時には奴の衣服を剥ぎ取っていた。
「はっ…かわいー色」
白い肌は俺に似ていて、その上でぽつりと存在感を放つ桃色の可愛らしい乳首に口を寄せる。
周りを撫でて中心に舌を近付けていき、頂を含んでちゅ、と吸う。左手でもう片方の頂も擦っていたらいきなり胸部から頭を離された。
「何すんだよ」
「それはこっちのセリフだっ何考えてんだテメェ!」
「お前をヤろうと思ってる」
「ざけんな!そう易々ヤられるか…ッ」
「あーもううっせぇな…」
二本立てた指を口元に持っていき小さな声で言の葉を結んでいく。茜の腕に向けて指を振り、口を開いた。
「"縛"」
「ッ!?」
がちん!とまるで磁石がお互い引き寄せられるかのように茜の手首がくっついて離れなくなる。ネクタイを腕に回してベッドと繋げると茜はわけが分からないといった表情をした。
「な、何だよこれ…」
「あ?まぁ気にすんな、続きヤるぞ」
「おいっ!」
下に手をかけて下着と共にスラックスを脱がせる。露になった自身を握り込むと茜はびくりと体を震わせたが、それに構わず行為を続けた。
裏筋を緩く撫で上げ雁首をきゅ、と締める。強弱をつけながら扱きあげると茜の口から吐息が零れた。
「ぁっ、は、はぁっ…」
「気持ちいいか?」
「おまっ、おかしいんじゃねぇの…っ」
俺を見上げる茜の、涙で潤んだ瞳とかち合う。
「同じ顔した奴、ぁっ、犯してっ…気持ち悪くねぇのかよ…」
「気持ち悪い?…全然?」
一旦扱く手を止めて茜の瞳から溢れ落ちた涙を拭い、瞼にキスを落とした。
「似てんのは顔と性格くらいで、後は全然違ぇからな」
混じり気のない漆黒の黒髪も、涙で煌めいて宝石のように輝く色素の薄い灰色の瞳も、俺とは異なる色でとても綺麗だと思う。
「…だからこそ、お前を抱きてぇんだけどな」
悪どい笑みを浮かべると、茜の口元が引きつったようが気がした。
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