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1話

小田川芽也、16歳。 高校のみならず小学生の頃から友達はおらず、休み時間はずっとライトノベルを読む日々。 可愛いくておっぱいが大きい女の子がいる世界線に転生したい、と軽く妄想までしている。 (まあ、女とか男とか関係なく現実でオレに話しかける人間とかいないけど) そう、思っていたー。 学校の帰り道でオレの運命が変わった。 黒塗りの外車が道の端に止まっていた。 (こんな、田舎に高級そうな車なんて珍しい…) 車の中から背広を着た背の高い男性が出てきた。 世の中が遺伝子レベルで世の中が不平等なことをオレは呪いたい、とか思いながら通り過ぎようとした。 その時、 「君、美味しそうですね」 腕を掴まれてそう言われた。 「はあ…人違いじゃないですかね…」 オレはこんなカッコイイよくて遺伝子レベルの勝ち組の知り合いなんていないし、美味しそうって業界用語も知らない。 「いや、違いますよ。初めましてですけど、美味しそうです」 「じゃあ、初めまして。美味しそう、って業界用語は知りませんよ。さようなら」 全力の早口言葉で逃げようとしたが腕を話してくれなかった。 「いや、美味しそうは美味しそうです。いい匂いがします」 そう言ってその人は首筋に鼻を近づけて「いい匂いだ」と言っていた。 「セクハラですよ…」 「美味しそうな匂いしてる方が淫魔にとってセクハラです」 「淫魔って…?もしかして、電波とかですか?」 「いや、ほんとです。お近付きの印に確かめます?」 「遠慮します!」 そう言って、自称淫魔(電波男)を突き飛ばして逃げた。 (これから3ヶ月は人と話したくない…) そんなことを考えてしまうほどの衝撃が頭に降ってきてた

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