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モテ期到来

 水輪と打ち合わせをした後、スキルブックを量産しつつ、スキルブック作成を監督。  午後は戦闘訓練を眺めて魔術を教える。  桜火先生達に生徒を任せて、俺は大人や子供達を見ることとなった。  頑張った子にはポーション玉一個プレゼントだよ!  たまに変身すると、おお喜びされる。  初めはフルで戦闘訓練をしていたのだが、今は早めに戦闘を終わらせてハグ会なるものを開催している。変身後の俺、モテすぎて困る。多分、神様の作られた身体だからだろう。変な感覚がすると言っていたし。耳を触られることがとても多い。長いからね。エルフみたいで気になるよね。 中折れしているのがまた、兎っぽくて興味深いんだろう。  あと、強い魔物退治で引率として出ることも増えた。  止めは絶対に譲るけどね。俺はあくまで応援係だから。  そんな俺だが、ある日起きたら知らない場所だった。  香を焚き染めた寝室。お香は何の効果だろう? なにもないなんて楽観視はしない。 「蓮! よくぞ戻った」 「いや、戻ってないから」  そうね。俺の警備、ちゃんとしないとね。油断してたわ。 「ふむ。顔は見れなくはない程度だが、勇者の依代というのがそそる。儂に仕えることを許そう」 「はあ……」  変身してさっさと逃げ出そう。  俺が变化すると同時に、ふすまが開いて剣を突きつけられた子供が現れた。  てか、剣を突きつけてんの魔物かよ。何故か焼けただれているが。 「ふむ。なおさらちょうど良い。さすが勇者は美しい。脱げ」  ニヤリと笑った火野のご当主様。  俺はぎっと睨んで、服を脱いだ。魔物と爺双方にジロジロと見られる。  鑑定を使われたのがわかる。くっ 俺のスキル構成が丸裸になってしまう!    体が熱い。まさか、媚薬効果? 俺のそれが、触れられてもいないのに立ち上がる。  アイテムでどうにかしようと思ったけど、さっきからアイテムが呼び出せない。  間違いなく魔物のせいだろう。 「エッチなのは禁止なはずだけど?」 「そうだ。神の作りしものに手を出そうとすれば、我らは焼かれる。そもそも、我らに生殖能力のある者はごく僅かだ。だが、人間はその限りではない」 「女でもねーのに男同士で番わせてどうすんだよ」  呆れた顔で告げてやれば、魔物はクツクツと笑った。 「もちろん、女とも番わせるさ。したい実験は色々とある。そして、チャンスは今回の一度だけなのだ」 「はぁ」  困ったな。俺は人質は全員生かして返す主義である。必ずクエスト達成率100%じゃないと我慢ならない人で、よくあるNPCを助けろ的なイベントでミスったら発狂する。  しかもリセットできない。地獄である。  どうしたものか。つーかやりたすぎて集中できない。  そんな時、見知った気配がした。  炎が、踊る。 「蓮!!」 「桜火せーんせ♡ 助かった!」  救出舞台が到着したようで、魔物と爺はサクサク処分された。  それと同時に、桜火せんせーが上着をかけてくれる。  アイテム禁止空間も解除された。 「あの、蓮!」  顔を赤くして、桜火先生が俺を包み込む。 「今度から警備してもらわないとな」  ポイズンキャンセラーを取り出して飲むと、俺のそれは通常時に戻る。  良かった良かった。 「で、なんだ桜火せんせー?」 「……なんでもない」  なんだか残念そうだった。  ちょっと魔物牧場作られないか警戒しないと不味いかな。  でもそれより何より、レベル上げ!! 五年間、頑張るぞ! 「魔物に先を越されるなんて!!」 「それで、生殖は可能そうなのか」 「一応、ついてたし勃ちはするみたいだけど。当人にその気はなさそうだよ」 「そこをその気にさせるのよ!! 神の系譜の血筋、絶対に手に入れるのよ」 「そうか。勇者に生殖能力がありそうか……。そうか。何よりの福音だ。我らは、神のおもちゃのままでいるつもりはないのだから」 「では、あの実験は進めますか」 「ばれないようにせよ」 「はっ!!」 「次回では勇者は呼ばれぬ。先代が残した希望、逃しはせぬぞ……!」  俺は知らない。空前絶後のモテ期が訪れることを。  そして、表向き穏やかなまま、五年が過ぎていた。

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