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4家のファッションショー
薬草がほぼ全滅→失伝→採られることが無くなって復活という面白い事態に陥っていたらしい。低級の薬草については完全に絶滅していて、高級な薬草ほど生き残って大繁茂しているのに笑う。
「薬草については、5年間できっちり必要量を栽培しないとねー。それはともかく、回復アイテムはちゃんと配って下さいね。良い子ですから。後は、ランク分けして、対処する事態をランクごとに決めちゃったほうがいいかなー。あ、次の時は多分アシスト無しだから、しっかり学んでくださいね」
この日の為に用意していた教本をドン! ドン! と積み上げていく。
水輪の人達が目がハートマークである。知識欲があってよろしい。
「勇者様にもう一回会いたいのだが」
「あれ、反動がきっついから、特別な訓練の時だけです」
「今こそ特別な訓練の時!」
「はいはい、後でね後でね」
色々資料を見せてもらったのだが、装備に関する知識はむしろ、向上しているかもしれない。流石にちょっとは失伝している知識もあるが、魔法が使える人が減って人手不足になった為、それを補うために魔具が発展したらしい。
特に、少ない魔力を込めて攻撃力を増す技術が素晴らしい。
これは、炎剣以上の装備が作れるな。
「良し! 俺の持っている装備と知識は全部あげますから、水輪はそれ以上の装備を予備や弟子への贈答用含め、俺にプレゼントすること! 出来ますか? もちろん、ちゃんと他の魔術師や一族にも融通するんですよ? 飲みます? 多少は原材料も融通しますが。 薬草の栽培もお願いしますね」
「ああん♡ 神様♡ 勇者様♡ 好き♡好き♡ 愛してますわぁ♡」
もはや感極まって絶頂状態の輪廻ちゃんである。
「はっはっは。もっと褒めてくれてもいいんですよ?」
めっちゃ喜ぶ輪廻ちゃん。彼、水色の髪がストレートに長くて、本当に女の子みたいな可憐さなんだよな。しっかり鍛えているのも良い。感極まって抱きついてくる輪廻ちゃんの背をポンポンとする。
「じゃ、装備出せないからどいてね?」
「はい!」
すちゃっと正座する輪廻ちゃん。
「ああああああ!!! それはどうかと思うぞ! せめて! せめて地鎧は我が一族に!!」
「頼むよ、蓮! 一式装備欲しい!」
「攻撃手段が欲しいなぁ」
「我らが風靴の一族にも是非! ぜひお慈悲を!!」
「しょうがないなぁ。じゃあ、炎剣せんせと疾風せんせと岩男と飛鳥と輪廻に装備配ってからにしますか? ただし、10年間はあげるの禁止です! 後、輪廻はその分渡す材料に色つけますからふてくされない」
「勇者様!!」
「さすが蓮!」
「攻撃手段! ね、攻撃手段!」
「おおおおお!」
俺は、無造作に手を差し出し、装備一式を選択して全開放した。
またたく間に、人の身長の三倍程度の装備品の山ができる。
「じゃあ、そうだな。1人10個……じゃ足りないか。20個。後は水輪の一族に。なにか装備について質問があればおいで。呪いの装備もあるから、取る前にかならず教えてね」
「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」」」」
ふふふ、楽しそうに吟味している。
「蓮。僕に見繕ってもらえるかな」
「あ! 俺も頼みたい」
ははは、こやつめ。
「魔物によって、有用な装備は変わりますからね。鎧は無難にまとめて、武器とアクセサリーに拘るのがいいですね。剣もいいですけど、俺は鞭もお薦めです。後はアクセサリーが……そうそう、魔王のドロップアイテムに装備品があったはず。スキルブックも合わせて、戦闘スタイルを見直しますか?」
「うん!」
「おう!」
「贔屓ですよ、そこぉ!」
「俺達の相談にも乗るべき!」
「はいはい、輪廻も見ようか?」
「お願いしますわぁ!」
良き良き。
装備を見繕っていて、ふと問われる。
「蓮。君が僕だったら何を選ぶ?」
「これ全部放り捨てて、別のを選ぶ」
「えっ なんで?」
「ピーキーだけど、尖った組み合わせのほうが面白いし、上手く行けば最大火力出るから。後はまあ、苦手な敵が現れた時のためにこれとこれかなあ。でもそれは俺の好みだから」
「その組み合わせ、見たい!」
「良いよ―」
結局、選定と調整に一週間くらい掛かった。
装備頂戴コールが凄かった。もうあげちゃったから輪廻に言って。
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