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第18話◇

 唇を重ねて。  何度か、触れて、離して。角度を変えてキスする。  そうしても、優月が嫌がってないことを確認してから。  舌を入れて、絡めた。そのまま上顎を舐めると、びく、と震えて。 「……っん、ぁ……」  声が、漏れた。  今度は息ができないというよりも、たぶん、気持ちいいから漏れる声。 「……っん、ん……」  少し離して、息をさせてから、また重ねる。  小さく、漏れる声が――――……なんだか本当に……。  キスすればするほど――――……とろんとしていくその瞳と、気持ちいいのを持て余してるみたいな表情が、何だかすごく可愛く見えて。    目の下にある、小さなほくろ――――……なんか、エロい。  キスが初めてというのには、驚いたけれど。  素直に、受け止めてくれるからなのか――――……  慣れていないのは分かってるけど、反応は、悪くない。  いちいち、ぴくぴく反応するのが、新鮮。 「ん……っ……」  キスしながらも、時間がヤバいのは分かっていた。  仕方なく、ゆっくりキスを離したら、涙で潤んだ瞳が薄く開いて。 「――――……」  離したくなくて、もう一度、押し付けるみたいに、キスをした。  なんか、オレ――――……   ……こいつに、もっとキスして。   触って。――――……抱いてみたい、気がする。 「優月……」 「……?」 「月曜何限まで?」 「……えと……5限……」 「オレと寝てみる気になったら、月曜の5限の後ここに来て。初めてだろうから、考えて決めろよ。 それで無理なら来なくていいけど――――……」 「――――……」   「……優月?」  まっすぐ、見つめて。  名を呼んで、頬に触れた。 「来いよな。すっげえ優しくしてやるから」  最後にそう言って。  絶対来いよ、の意味を込めて、  ちゅ、と頬にキスしてから、オレは優月を離した。 「じゃな」  後ろ髪を引かれるなんて、なかなか無いけれど。  許されるなら、練習はバックレて、いまこの勢いで口説いて、二人きりになりたいけれど。  キスも初めてだった奴を、いきなり連れ込むのには気が引けて。   月曜までなら、考える時間も、あるし。  覚悟してから来てくれた方がいい。  男は無理、と言っていたから。  無理なら、仕方ない。  来なくても、仕方ないけど。  ――――……出来たら月曜。  ここで、会えたら良い。    何だか強く、そう思ってしまった。

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