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第250話◇
【side*玲央】
食事を終えて、速攻片づけてもらい、2人きりになって即バスルームに連れ込んだ。
まだ一緒にシャワーを浴びるのに全然慣れなくて、恥ずかしがってる優月は可愛くて、本当はもう、今すぐ触れてめちゃくちゃに抱きたい気分だったけれど、バスルームだと優月に負担がかかりそうだし、ベッドでと決めた。
優月の頭を洗ってやって、体も洗い終えると、今日はさっさとバスルームから連れ出した。
バスタオルで巻いてやると。
何か、クマの着ぐるみが似合いそうだなと。
めちゃくちゃ可愛いと思ってしまって、キスしてしまう。
なんなの、この可愛いの。
もう、20歳だよな? オレとタメだよな? ……なんでこんなに可愛い訳。
キスしてしまうと、余計に、マジで早く触りたい。
――――……けど。
優月の髪だけは乾かしてやりたい気もして。
ドライヤーの準備をしていると。
「……なんか、何してても、カッコイイんだもん。 バスローブ着てるだけで、こんなにカッコいい人、居ないと思う」
役者とかどう?とか聞いてるし。
何を言ってんだか、優月。
「役者……考えた事ねえな」
思わず笑ってしまう。
向かい合ってドライヤーをかけてやってると、優月は俯いている。
大人しい優月が可愛くて、優しく手で髪に触れながら温風を当てていると。
――――……出会ってから毎日、こうして優月の髪に触れているなあなんて、しみじみ思って。
「お前の髪、ほんと気持ちいい」
なんか、ほんとに可愛いなと思ってしまう。
乾いてきたな。
ふわふわしてきた。
そこでふと。優月がずっと俯いたまま、全然顔を上げない事に気付いて。
どうかしたか?と言おうとした瞬間。
「?」
優月の手がゆっくり動いて。バスローブから中に入って、胸に触れてくる。
「……優月?」
どうしたんだろうと思って。ドライヤーを終わらせると。
「――――……あ、のね……」
「うん?」
「あの……なんかオレ……」
「……」
「玲央に触りたくて……」
ぎゅ、と瞳を閉じて、言われて。ドライヤーを置いて、引き寄せる。
――――……人が、どんだけ、我慢してると思ってんの、優月。
まだ、経験、浅いし。
そんなにがっつくわけにもいかない、と思って。緩くしてやってるのに。
深くキスして。
「……んっ……」
少し苦し気に、声が漏れるけれど。
――――……そのままキスしたまま。
優月の手を、オレの胸に触れさせる。
自分から触れてきて、触りたいとか言ったくせに、触らせたら、ものすごく、恥ずかしそうで。
ドキドキしてますって、顔、してて。
あーもう、ほんと、可愛いな。
「……ん……ふ、は……っ」
遠慮がちに、すり、と触れてくるのが可愛すぎて、思うままキスしてると、苦しそうに喘いで、離れようと引く。
「息、吸って」
少しだけ待って、また塞いで、今度は逃げられないように、優月の頭を手で引き寄せたまま、キスする。
「……んン――――……」
びく、と体が震えるのが。
愛おしすぎて。
「……れ、お……」
熱っぽい声で名前を呼ばれたら。
もう、限界で。
優月を引き寄せて、抱き上げた。
「……も、ベッドいこ、優月」
「あ、玲央、髪……」
「髪?」
って何だ?
「ドライヤー……」
――――……今、この状態でドライヤー?
かけてくれようとしてんの?
なんかほんと――――……笑ってしまいそうになる。
「オレはいい。つか、無理。待てない」
「――――……」
言ったら、優月は言葉に詰まって。
オレに抱き付いてきた。
ほんとに。
――――……なんでこんなに可愛いかな。
可愛いだけなら、そのまま撫でてやってりゃいいけど。
――――……なんで、こんなに、興奮すんだか。
「…玲央」
抱き付いてる優月が、名前、呼んでくる。
……暴走しそうで。
――――……は、落ち着け、と思いながら。小さく息を付いた。
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