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第251話◇

 優月が、愛しくてどうしようもなくて。  結局、思うままに抱いてしまった、気がする。  上擦ったみたいな声で、何度も名を呼ばれてる内に、可愛すぎると思って、あんまり呼ぶなと言ったら、ものすごい不思議そうな顔されて。もう、マジで可愛いと思ったら。耐えられなくて。  終わるつもりがなかったのに、我慢できないとか。  初めてだったかも。  はー。……かっこ悪。  向かい合わせで抱き合って。  それからまた、ベッドに寝かせて、めちゃくちゃ、抱いた。  中を突くと、乱れて。  いつもの可愛らしい優月は、完全に居なくなって。  まだ、それがそんなに気持ちいいのが信じられないみたいで。  涙、いっぱいにして。  めちゃくちゃ色っぽく、喘ぐから。  途中から加減が出来なくなって。  結果。  ――――……終わると同時に、優月は。  オレの腕の中で、完全に、寝落ちてしまった。   「――――……優月……」  くた、と腕の中で、柔らかい。 「――――……」  涙。零れた後。  ああ、もう。本当に。  ――――……可愛いし。  優月の頬に触れて、涙の跡を、すり、と擦る。   目の下のほくろ。これほんと、エロい……。  くす、と笑って、すりすり触れる。  昨日、一度繫がりはしたけど。  ちゃんと、最後までしたのは、初めてだったのに。  善がって、しがみついて――――……ほんとに可愛かった。  普段、純粋な奴が乱れると。  こんなエロいのかな……。  いつも優月が眠ってしまった後は、離れて、拭いてやったりするのだけれど。今日は何となく、離したくなくて。  目が覚めるまで、こうして居ようと思って。  そのまま、腕の中に抱き込んだ。 『最初、のキスからずっと、気持ちいいしか、ないよ』  抱いてる間、ずっと可愛いこと言ってたけど。  このセリフが。  マジで、愛おしかった。  最初のキス。  ――――……初めて会って。  いきなり、キスしていい?て聞いて。  ――――……優月のファーストキス。奪って。  今思うと、こんな純粋な奴捕まえて、とんでもない事したけど。  あれ、1週間前か。  ――――……ものすごく、遠い昔な気がする。    こんなに可愛いと思うようになるとか。  ……想定外だけど。  その時。  ぴくん、と優月の手が動いて。  のろのろと、腕が、上がった。  自分の額に手を当てて、多分、どうしてたかを思い出してる。  後ろから体を起こして、優月の背をベッドに組み敷いて、上からのぞき込んだ。 「玲央……」 「大丈夫か?」 「……うん。――――……オレ、どれくらい、寝てた?」 「ほんの少しだよ。抱いてたから、寝辛かったのかも」 「ううん。平気……」  じ、と下から見つめられる。  自然と笑んでしまいながら、ちゅ、とキスした。 「――――……なんか離したくなくて、今日はまだ後始末、してない」 「……いいよ、そんなの。ていうか……いつもごめん」  困ったように言う優月に、ごめんじゃないよ、とまたキスする。 「――――……」  そのまま、ぎゅと、抱き締める。 「――――……なんかオレ今、会った時の事、思い出してた」 「……そうなの?」  優月に、クスクス笑われる。 「結構、オレ、とんでもないよな。いきなり初キス奪ってさ。オレと寝ようとか誘ってさ……」 「――――……んー?」  優月が、間延びした感じでゆるーく返事をして、ぷ、と、笑ってる。 「玲央じゃなかったら――――……何回もキス、してないけどね」  そう言って、じっと見上げてから。 「……あんな風に、キスする人は、なかなか居ないと、思うけど」  クスクス笑う。      

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