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第379話◇
それから少しして、颯也と甲斐の2人からも返信があって、明日でいいという事になった。颯也は用事があったらしいけど、ずらすって。
で、かなり大喜びしてる感の勇紀の返信を見ると。
……颯也、別に無理しなくてもいーけど。
なんて、ちらっと思ってしまうが。
優月が楽しそうなので、まあ、しょうがないか、と諦めモードになる。
だが、しかし。次のメッセージで、またさらにげんなり。
「……稔にも声かけるって、勇紀が言ってる」
「あ、そうなんだ。……智也も、とかなるのかな……?」
「村澤? 何で――――……ああ、稔が誘ってたからか……」
稔と村澤と優月と勇紀とかで、ご飯に行くとか、言ってたっけ。
「もうなんでもいいぞ。……むしろ一回で済ませたい気がしてきた」
オレがかなり投げやりで言うと、優月はおかしそうにクスクス笑って、オレを見つめる。
「玲央、周りの人と、仲良しだよね」
「……そう見えるか?」
うんざりした表情を崩さずにそう言うと、優月は、あは、と笑った。
「今はちょっと嫌そうだけど、いつもは仲良しに見えるよ」
「――――……そうか?」
仲良し。
そうかな?
優月と村澤は、確かに仲良く見えるけど。
――――……まあ優月は誰とでも仲良さそうに見えるか。
「オレが周りと仲良さそうに見えるか?」
「うん」
「どこらへんが?」
聞いて、優月の事を見つめていると。
「んー。皆が玲央の事、分かってる感じ?……玲央も良く言うでしょ、今のオレが分かんないとか……それを、周りの友達も、同じ事言っててさ」
「――――……」
「……玲央の事を今まで近くで見てて、少し心配してたりもしてて。最近変わったって感じたらからかってもいるけど……なんか良かったみたいに、思ってる気がする……って言っても、オレと付き合う事がほんとに良かったのかは……まだ分かんないかもしれないけど……」
なんて、勝手に焦って、少し言い訳をしてから。
でもね、と微笑む。
「玲央の事よろしくって……なんかオレ、たまに言われるとさ……」
「――――……」
んー、と少し考えてから。
優月はオレをまっすぐに見つめて。
「玲央の事が大事じゃなかったら、言わないセリフだなーと思うから……なんか、すごく仲良しなんだろうなあって、思ってて」
そんな風に言うと、優月は何だかすごく嬉しそうに笑う。
「玲央は、周りの人達に、なんかずばっと突っ込むけど……そーいうのも楽しそうに見えるし。だから、玲央は周りに居る人達と、仲良くて楽しそうで。そういうの、好きだなーって、思うよ」
ニコニコしながら、言い切って、オレの返事を待ってるけど。
なんかほんと。
ぽわぽわしてるけど。
よく分かんないとこ、よく見てて。
――――……全部良い方に受け取って。
何なら今優月が言ったのなんて、他の奴が見たら。
――――……今までと違うって周りが散々からかって、オレがうるせーってツッコミ入れてるってだけの話になりそうだし。実際、オレ、そう思っていたし。
まあどんだけ、オレに対する周りの評価が同じなんだ、とは、驚きはしていたけど。でもそれだけの事……だったんだけど。
それをこんな笑顔で言われると。
なんかほんと、不思議。
さっき、優月の先生が、優月の人物の絵は内面が出るからとか言ってたけど。 なんとなく、分かる気がするような。
嘘ついても、あっという間にバレそう。
なんて思うと、苦笑いが浮かんでしまう。
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