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第398話◇
本当、カッコいい。
――――……色々、慣れてるなーって思う。
玲央は今まで色んな人と、してて。
……経験値というか、そういうのが、ものすごーく、高いだろうし。
玲央の相手って、何となく見た事ある人、綺麗だったし、きっと他の皆も、見た目とか、すごく良い人達なんだろうなーと思うし。その人達もきっと、そういう事慣れてる人達で……。
……うーん。
そう思うと、ちょっと心配になるのは。
「……ね、玲央?」
じ、と見つめながら。
一度口を閉じる。
「何? 優月」
ゆっくりした口調で、ふ、と笑いながら、玲央が、オレの言葉を待っててくれてる。
「……オレとして、玲央は、気持ち良い?」
「――――……」
オレは、玲央とするの、多分もう、この上なく気持ちいいんだけど。
――――……玲央みたいな人が、オレとして、満足できるんだろうか。
「……オレ、何も出来ないし。 ちゃんと、良い……??」
玲央は、じーっとオレを見つめてて。
瞬きを繰り返してる。
「――――……」
返事がない……。
……き、聞くなって事??
――――……わー、なんか待って、今すごく恥ずかしい事、聞いたのかな?
何が恥ずかしいのかも、いまいちよく分かんないけど、
でもなんか、こんなにマジマジと、見られちゃうと、もう、
死ぬほどに、恥ずかし…………っっっ
顔に一気に熱が集まってきて。
玲央の視線を避けようと俯こうと思うのだけれど。
玲央の手に、顎を掴まれて、ぐい、と上げられてしまう。
「…………真っ赤すぎ」
クッと笑いながら、玲央がオレをじっと見下ろす。
「……何もできないって、何?」
笑いを含んだ声で、優しく、聞かれてしまう。
「……っ具体的には、わかんないんだけど……」
「――――……んー」
クスクス笑いながら、玲央がオレにキスをする。
柔らかく触れて、少し離れる。
「優月が何心配してんのか……何となくは分かるんだけど」
「……うん」
「オレ、そもそも、してもらいたい訳じゃない」
「――――……」
……どういう意味??
玲央を見つめていると。
「オレが、優月にしたいンだよ」
「――――……」
「色んな事して、感じさせて、死ぬほど、気持ちよくさせたい」
「――――……」
「気持ちよくなってるお前に、興奮するし。めちゃくちゃ可愛いって思ってる訳」
「――――……っ」
返事が出来ない位。
……なんか色々、恥ずかしすぎる。
「だから、何もしてくれなくていいっていうか……何もできないのにとか、要らないっていうか――――……つかさ、何もしてない訳じゃないだろ、優月」
「……???」
「可愛い声だして、可愛い動きで感じてるし」
「……っっ」
とにかくめちゃくちゃ恥ずかしすぎる玲央の言葉に。
固まっていると。
「全部可愛くて、十分なんだけど」
ちゅ、とキスされる。
「今のまま、素直に感じててくれるだけで、可愛すぎるからそれでいいよ」
「……っ」
何でこんなに、恥ずかしい事、普通の顔で、言えるんだろう。
聞いたオレが間違ってました……。
可愛い、言いすぎだよぅ……。
目の前の、カッコ良すぎる人が、
何でオレをそんなに可愛いって言うのか、謎なんだけど。
でも、そういえば、いつでも玲央は、オレに可愛いって言ってくれてるような気がしてきた。
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