394 / 860

第399話◇

「納得した?」 「…………」  何となく、もうこれ以上何も聞く事も浮かばなくて、うんうん、と頷いてみると、玲央はクスクス笑って。 「つかさ。……オレ、優月とすんのが今までで一番気持ち良いけど」 「――――……一番??」  一番なのかな? ……ほんとに??  ちょっと、喜ばせようとしすぎでは……なんて考えて、ふ、と微笑んだまま玲央にくっついていると。  玲央の手がオレの後頭部を包んでぐりぐり撫でてくる。 「可愛いとかさ、好きとか……そういうのが半端ないからだと思う」  少し玲央から離されて、顔を見つめられて。 「――――……」  何か今また、ものすごく嬉しい事、言ってくれてるなあ……と。  返事も出来ずに玲央を見つめていると。  くす、と笑った玲央に、ちゅ、と頬にキスされる。 「可愛くてしょーがないんだけど、なんだろうなー、これ」 「……っ」  ぷに、と頬を摘ままれて。  だめだー、もう、恥ずかしすぎるーーーー。 「……んーでもさ。そんな、心配させるとかさ」 「――――……え?」 「……足りてない? 優月」 「?」  足りてない? 足りて…………? 「愛されてるなーって感じれてないってことだろ?」 「…………っ」  プルプル。  違う、足りてなくない、足りてないとか、全然ない。  むしろ、そういうのは、そういえば足りすぎな――――。 「たり、て――――……っ」  足りてる、と言おうとしたのだけれど。  不意に玲央が体勢を変えた。  今までオレが玲央に乗っかってたから、玲央よりも少し上に顔があったのに、一瞬で、抱き込まれて、玲央が上に来る。  う、わ、と思った瞬間、唇が重なってきて、深く、塞がれた。  あっという間に、全く動けない感じで、覆いかぶさるみたいな玲央に、キスされる。 「……ん、ぅ……っ……」  ぬる、と熱い舌が、オレの舌に絡んで。  また息も、出来ない。 「――――……んん……」  長いキスを受けて。やっと、舌を外されたと思ったら。  顎の裏とか。ゾクゾクが止まらなくなるとこを、舌で舐めてくる。 「……ん、ァ……っ」  もう、また頭が真っ白になって。  少し動かそうとした左手は、玲央に掴まれて、ぎゅと。握られて。 「――――……ふっ……っ、は……」  熱くて。  気持ち良くて。  口、溶けちゃいそうで。  浮かぶ涙が、すぐにまた零れていく。  長く長くキスされて。  もう、ぐったり、してる唇に、何度も、唇を合わせてきて。  ぺろ、と唇を舐められると。  自然と、舌が、玲央の舌を追う。  すると、玲央は、可愛い、と囁いて、また舌、絡めてくる。 「――――……ん……ふ ……」  時間どれだけたったんだか。  めちゃくちゃキスされてぐったりなオレを、抱き締めて。 「……足りないならずーっとしてやるから、言って」  そんな風に囁いてくる。 「――――……だか、ら……」 「ん?」 「さっき、オレ、足りなくないって、言おうとした、のに……」 「あ、そうだった?」  玲央は、絶対さっき気づいてたと思うのに。  そんな風に笑って、オレの涙を親指で拭った。 「――――……お前とキスすんの、好き」 「――――……」 「可愛くて、しょーがなくなる」  言いながら、また優しいキスをされる。

ともだちにシェアしよう!