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第707話◇

「もともとはオレと仲良かったんだよね」  クスクス笑いながら、勇紀がオレを見る。うんうん、と頷いて、勇紀の笑顔につられてにっこり笑うと。 「んで偶然玲央とも知り合って、それで仲良しって感じかな」  勇紀がほんとにざっくりそう言った。  あ、そんな感じの方がいのかな?  そういえば玲央って、オレとのこと、Ankhや稔とかにははっきり言ってるけど、それ以外の人には、どうしてるんだろ??   附属でずっと一緒の人達も、きっとそれなりにたくさん仲良い人いるよね。言ってる……わけじゃないかな。そういえば、どうしてるのか、聞いたこと無かったな。 バレてもいいって言ってたし、隠すつもりもないみたいな感じなのは分かってるけど。 「どこで知り合ったの? 玲央と」  ん。  どこで。……裏の、クロのいる芝生……。 「なんでソレ聞くの?」  困って一瞬黙ったオレの代わりに、勇紀がクスクス笑いながら聞いてる。 「だってなんか、玲央と接点無さそうだからさ。どこで知り合って、仲良くなるんだろって今思った」 「あー分かる。玲央と絡まなそう」  ……だよねぇ。うん。分かる。  玲央とオレだと、絡む用事が無さそうだと、皆が思う気がする。ていうか、Ankhの皆も、見た目から言ったら、そんな感じかもしれない。 「ごちそうさまでした」  手を合わせて、お箸をおいて、それから、勇紀の隣の人達と目を合わせた。 「玲央とはたまたま会ったんだけど……」  皆がオレを見てるので、んー、と少し考えてから。 「ほんとに接点といったら、全然ないかもだけど……」  そう言ったら、きょとんとされて、それから、ぷは、と笑われてしまった。 「やっぱそうなんだ」 「じゃあ何で、仲良くなったの?」 「えーと……」  何でって。キスされたとか。寝ないって誘われたとかは言えないし。  なんて言おう、と思ってたら。  玲央が少し姿勢を起こして、オレを見て、ふ、と笑うと。それから、勇紀の隣の人達に視線を向けた。 「何で仲がいいかって……」  そう言った玲央を、そこに居た皆が、注目。  自分に視線を集めてから。玲央は、ニヤ、と笑った。  ああ、なんかこういうとこ。ほんとカッコい――――…… 「オレが、優月をめちゃくちゃ気に入ったから、かな」  玲央の一言に、オレの思考がぴったり止まった。 「始まりはそんな感じ」  え。  ……いいの? それ。  オレは固まって。隣の勇紀は、はは、と笑い出して。  稔は、おまえはほんとに……って、何だか苦笑してる。  颯也と甲斐は、はいはい、みたいな感じで、何か飲んだり食べたりしてるし。  言われたそちらの人達は、えーと、とお互い、見つめ合いながら。 「ああ。……なるほど……?」 「つか、気に入った、とか言っちゃうと、それって」  と言って、止まった人も居る。そのあと、ん?て顔でオレを見てくるので。  えーと、どうしたらと思いながらも、ついついニコ、と笑ってしまう。  ふと視線を感じて、玲央を見て、目が合うと。玲央が可笑しそうに、ははっ、と笑い出した。  絶対、玲央、この今の感じを、超楽しんでる。  そんな玲央も、カッコいいけど、でもいいのかな、こんな感じで。 「まあ、そんな感じだから。これからも、優月、オレらと一緒に居ると思うから、覚えといて」  もはやそんな風に言われると、人はそれ以上こまかく聞けなくなるみたいで。  ああ、とか、うん、とか。  よろしくな、とか、オレにも言ってくれたりなんかして。  何だかちょっと強引に。でも、ちょっと収まった感じ。  勇紀や稔と、何やら話が進んでるそちらの皆を見てから、玲央に「いいの?」と聞いたら、「何が?」と笑う。 「嘘ついてないし。とりあえずこんな感じで。その内分かるだろうし」  まっすぐ見つめられて、そんな風に言われると。  なんか。  ……嬉しいなと。どうしても思ってしまう。   ◇ ◇ ◇ ◇ (2023/8/6) ちょっとお知らせ♡ 今日Twitterでポメガバースのお話を少し載せてます。今まだ途中ですが先にこちら更新に来ました(´∀`*) ほんとは、出会いから番うとこ一緒に暮らす話、その他諸々一つの作品として投稿したいポメガ🐶ちゃんなのですが、まだ全部書ききれる気がしなくて、ずっと温めたままで少しずつ書き進めてる感じです。  いつか出せるといいなあと思いながら、すこーしだけSSとして出したので、よろしかったら♡ https://twitter.com/yuuri_likes です🐶

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