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第842話◇※
バスルーム。キスされながら、あっという間に脱がされた。
泡で洗いながら体をなぞられて、弄られて、息が上がる。
辛うじて息ができる感じで、深く深くキスされたまま、たくさん触られて。
「んン……っ」
イきそうになると緩くされて、もどかしい触れ方をして。
中も泡で綺麗にしながら、気持ちいいところをなんども擦られる。
「……あっ」
中、気持ちいいところを掠るたびに、キスの間で声が上がってしまうし。
なんかもう、始めたばっかり、みたいな感じなのに、もう、倒れそう。
玲央は、オレの舌を奪おうとしてるみたいに感じる。
なんかもう、どこまでが自分の舌なのかわかんなくなってくる。、溶けあってしまったみたいに、激しいキスに頭の中がただでさえ真っ白なのに。
胸や後ろ、一緒に刺激されて、玲央の腕の中で、ずっとビクビクしてる。
気持ちよすぎて、しんじゃうとか……あるかも。
「――――……ん、ン……っ」
舌を吸われて、ぎゅ、と瞳を閉じて、玲央の背にしがみつくと、少し離して、ふ、と玲央が笑う。
「やっと触れた」
「……!」
熱っぽくて優しい声に、心臓が撃ち抜かれるみたいな感覚で。
「……ほんと、ヤバい」
オレも、とか何かしら答えたかったけど、答える前にまたキスされて、上顎に舌が触れると、ビクン!と全身が震えた。後ろに飲み込まされたままの指を、ぎゅう、と締め付けてしまう。
「――――……きっつ……」
唇の間で囁いた玲央は、オレを抱き寄せると、首筋に舌を這わせて、軽く、噛んだ。
「中入れたら、気持ち良さそ」
「……っふ」
やっと口が自由になったけれど、後ろへの刺激に、大きな声が出ちゃいそうになって、とっさに噛みしめた、のに。
「声、出して」
玲央の舌が耳に。囁かれるだけでも無理なのに、舌が耳をなぞる。
「んぁ、……っひ、ゃ……っ」
後ろの指がいつの間にか増えてて、中の気持ちいいところを、何度も擦る。
なんか。すごく、本気な感じがする、触り方。
熱くて熱くて。……溶けそうになる。
「……あっ、ん、……っっ……や、ぁ……」
「イくなら、そう言いな」
優しい声で、囁かれると、それだけで腰からぞわりとしたものが駆け抜けて、震える。
……そういうの、言うのは、やっぱり恥ずかしいんだけど。
それに、涙が止まんなくなって、息は熱いし、まともにしゃべれない。
唇噛みしめてないと、ほんとに大きな声が出ちゃいそう。
触れてた背中にまたぎゅと頼ると、玲央がオレをまっすぐ見つめた。
「……ふ……っれ、お……」
見つめ返したまま名を呼んだら、何でだか、涙が伝った。それを見ていた玲央が、目を細めて――――オレは、ぎゅ、と抱き寄せられた。
「――――……っあ……!」
急に、より中まで指が入ってきて、仰け反った唇を塞がれる。
「んん……んっ…………ん、ぁ……っ」
熱い。オレの中、全部。
くっついてる玲央も。
「……は…… あ…… いっ、ちゃ…………ッ」
もう我慢できなくて、そう言った瞬間。
奥に、ぐり、と入れられて。前なんて、触られててないのに、イっちゃって……締め付けたそこを、玲央の指がしつこく、刺激する。
「あ……は っ……」
「後ろでイけたな……いい子、優月」
耳元で囁く優しい声。いい子、とか。こんな時に言われると、もう無理。なんだか良く分からないけど、一気に高揚して、鼓動が更に速まった。
なんかすごく切ない気持ちになって、玲央を見上げると、玲央はオレと見つめ合って、くす、と笑った。
「……なんかマジで……」
「……?」
「……すげえ好き、優月」
…………うん。
オレも。
胸の中が、きゅんとした気持ちであふれかえって、
もうほんとに、大変なくらい。
大好き。
(2024/7/27)
エブのエッセイに後書きします。
後書きなので読まなくても大丈夫です(笑
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