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第843話◇ ※

「……っ」  オレがイっちゃって、お腹についたのを、玲央が指先で触れる。  なんかもう無理……恥ずかしいし。  玲央が、男っぽい顔してて、オレはもう、それに、めちゃくちゃゾクゾクして――――顔、見てるだけで、体の奥が、きゅん、とする。  中に入れたままだった指をまたゆっくり動かされる。 「……ん、ふ……っぅ、あ……っ」 「――中、震えてる」  は、と荒い息の中でそんな風に言われて、かぁっと熱くなる。玲央の指、めちゃくちゃ絞めつけて、収縮してるのが、自分でも分かる。  なんかもう。中に、もっと、欲しいとか。  前は思いもしなかった刺激を、今はもう、自然と、求めてしまう。  玲央がシャワーで一度流してくれて、汗と涙がすこしすっきりした。  ふ、と荒い息を抑えながら、玲央が手早くゴムを付けた。お風呂にあるんだ……なんて思いながら、ぼんやりと見上げると、ふ、と笑んだ玲央に、またキスされる。キスしながらも、玲央の手は、多分ローションか何かを、オレの中に入れてきて、滑りのよくなった動きに、立ってられない、と思った時。  指が抜かれて、背中を壁に押しつけられた。脚を開かされて、オレはもう、下に足が、ついてないみたいな。  キス、しながら、あてがわれる。 「……っ……んん、ん……」  玲央とつながる、この瞬間。  最初は少し、苦しい。  でも、すぐに熱くなって気持ちよくなって……嬉しくなる。  ぎゅう、と抱きつくと、下から、奥までゆるく突き上げられた。 ◇ ◇ ◇ ◇  お風呂で抱かれて、抱き上げられてベッドに移動。  お水を飲ませてもらって、そのままキスされる。舌が絡んで、めちゃくちゃ深く重なって。お風呂の余韻がもう、すぐ呼び戻されて。すぐにまた体を繋げた。    「……んンっ……」  きもちいいとこ、ゆっくり擦られて、声が咄嗟に漏れた。  噛みしめた唇に、玲央がまたキスして、解かされる。 「……ぁ、ん……っ……れ、お」  ぎゅう、としがみつくと、玲央が笑う気配。  目を開けると、滲みまくってて、泣きまくってるのが分かる。 「優月……」 「ん……、ふ……」 「気持ち良さそ」 「……ぅん……きも、ちいい」  むぎゅ、とくっつくと、今度は「かわいい」と抱き寄せられる。 「上、来る?」 「え?」 「ちょっと来てみな」  くるん、と体勢を変えられて、玲央が下に、オレは、玲央の上に乗せられた感じ。まだ中はつながったままで。少し抜けかけたのをまた奥まで入れられて「あ」と声が上がる。顎を取られてキスされながら、下から緩く突かれる。 「んぁ……あ…………っん、ン」  いつもと違う感覚。下に玲央が居るのと。下から見られてるのと。  もうなんか、かぁっと顔に、熱が上ってくるし。  ゾクゾクしたものに、襲われて、ぶる、と震える。 「んー……ん……っ……!」 「優月」  玲央の息が熱い。  熱っぽい顔、ドキドキ、する。 「ふ、は……っ……ンん……」  下からキスされてたけど、のけぞって外れた唇。  焦れた感じの玲央に、後頭部に手を置かれて、引き寄せられる。 「っん、ぅ……は……っ」  めちゃくちゃキスされながら、中で受け入れると。  もう。――――死にそう、に、気持ちいい。 「……っあ、ゃ……!」 「優月」    玲央の手が後頭部から前に滑ってきて、熱い手が頬に触れる。  じっと、見つめられて、ふ、と瞳が細められる。 「可愛い」  少し離れた唇の間で、囁かれる。胸の奥が、痛い。 「……あ……も、むり…………ン、ぁっ むり、れ、お」  あ、と声が上がって、オレだけまたイっちゃって。  中、しめつけると、玲央が少し堪える顔。  またくるん、と体を反転させられて、奥まで受け入れて。  ……なんかもう。  ほんと死んじゃうかと、思った。  玲央が。  ……なんか、もう、玲央、激しすぎて。  なんか、いっぱい、恥ずかしいこと言っちゃったし。  でも玲央がひたすら色っぽくてカッコよくて。  めちゃくちゃ幸せで。  玲央じゃなかったら、絶対したくないなと、思っちゃうくらい、玲央が全部好きで。  ……でもまあ、好きだからこそ余計、  恥ずかしすぎて、死んじゃうかと思ったのだけど。    体も気持ちも、全然自分の思い通りにならない時間。  幸せすぎるけど、熱くて、激しくて、  もう。  平穏だった今までの、オレの人生には、絶対無かったような、時間。 (2024/8/2)

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