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第915話◇※
※
けど、玲央は全然離してくれなくて。
息ができないくらいのキスに、視界が霞んでいく。唇の感触に、オレの意識、ぜんぶ持ってかれるみたいで……。
ふれられているところ、ぜんぶ、気持ちよすぎ。
体の中も頭のなかも、甘く、痺れていくだけ。
「……イ、っちゃ……っ」
唇を辛うじて離して、口に出した瞬間、舌が深く入ってきて。
全身が引きつったみたいに、びくびくっと激しく震えた。
「……っ」
何も考えられなくなって――。
ぎゅう、と玲央に抱きついてしまう。
下着の中で玲央の手を濡らしちゃった感覚が、頭を真っ白にする。
腰が勝手にビクビクと跳ねて、玲央の太ももに擦りつけるように動いてしまう。
「……っ……れお……」
恥ずかしくてたまらなくて、涙目のまま玲央の胸に顔を埋めた。
まだ下半身が、余韻に震えてて。
また玲央の手よごしちゃった……と思うのだけれど。何も言葉にならない。
荒い息を必死で押さえてると、もう片方の手で玲央がオレの頭を撫でてくれる。
ちゅ、と頬にキスされる。見上げると、ふ、と優しく笑う。
……大好きだなぁ、もう……。
オレの精液で濡れた玲央の指が、ゆっくりと後ろに入ってくる。
キスが繰り返されて、舌が痺れてくる。
……後ろの感覚にも、ただ、気持ちよすぎて震えるしかない。
「……ん、ぁっ」
指が中で増えていく。広げられると、腰が逃げようとするけれど、玲央の手で抑えつけられる。
明るくて恥ずかしいなと思う気持ちはあるけど……玲央の、欲情してる時の色っぽい顔。
……ゾクゾク、しちゃう。
中を押し広げられながら、乳首を舌で弄られて、息もまともにできてない気がする。
後ろを掻き回されるたび、顎が、仰け反る。
恥ずかしいとか。丸見えなのやだとか、……やめて、と思う気持ちもあるのだけれど。
……もっと、触ってほしい、と思う自分が、増えていく。
何もかもが玲央の思うままで。
「気持ちいい……?」
そう聞かれて、ん、と素直に頷くと。
「……気持ち良さそうで、マジで可愛い」
頬にキスされながら、脚を広げられる。そこに、玲央のがあてがわれて――耳に舌を這わされて力が抜けた瞬間。
ゆっくりと、押し込まれる。
「……っっん……っ」
何度か抜き差し、しながら、奥まで届いた瞬間、声が上がる。
「少しこのまま、慣らそうな……」
「……う、んっ……っ」
また唇が塞がれる。甘い、キス。
少しずつ慣らしながら、またキスでオレの頭をまっしろにする。
「……も……れお……っ」
「――ん?」
「なんか……もう……よすぎて……むり……なの」
「――はは。かーわいーなぁ、もう……」
可愛くてたまんない、みたいな顔で見つめられて、その笑顔が好きすぎて。
そしたら思わず下をきゅう、っと締めつけてしまった。
「ふ……。もう平気か? 動いて」
「……てかげん……」
「んー……無理かな。頑張って」
くす、と笑いながら、玲央が急に動いた。
ビリビリっと、体中に電気が走ったみたいに気持ち良い。
――玲央が、好き。
自分の中が、玲央の形に合わせて、変わってくような気がする。
ソファで、こんな明るい中で。全部見られるのは、やっぱりたまらなく恥ずかしいと思うのだけれど。
オレを見てくれてる玲央の瞳が……好き、で。
「……っんう、ぁ……っ」
……どうしてこんなにも、玲央だけ、特別なんだろう。
こんな恥ずかしこともして、ずっとずっと、一緒にいたいって、思って。
「ゆづき――」
熱っぽく呼ばれると、たまらなくなって――玲央の首に手を回して、引き寄せて。
唇、重ねさせた。
「……好き、れお」
荒い息の中、頑張って言うと――玲央は、その瞳を愛おしそうに。細めて。
オレを掻き抱いた。
◆◇◆
「…… ……」
カーテンの隙間から、やわらかな朝の光を感じる。
ふ、と目を開けると、目の前に玲央の顔。
静かな息遣い。まだ寝てる。
オレは動かず、そのまま玲央の顔を見つめる。
――昨夜の、色っぽい顔とは別人。
寝顔は無防備で、穏やかで…………やっぱり、寝顔、可愛い。
オレを抱き寄せたまま、力がぬけてる。布団の中で、触れ合ったままの指先に気づいたけど、動かずそのまま。
少しだけ身じろぎすると、玲央の睫毛が震えて眉が寄った。
どき、と心臓の音。
瞳――開くかな。
大好きな、瞳。
わくわく待ってたけど、結局瞳は開かなかった、
でも、玲央はまだ寝たままで――オレを抱き寄せた。
わー……。
ぎゅう、と抱き締められて。裸の胸に押し付けられて、心臓が一気に速くなった。
――ふふ。
もう一度、ゆっくりと目を閉じた。
このまま、もう少しだけ。
玲央の腕の中だけ。
世界の何もかもから取り残されているみたいな。
――やけにゆっくりと、時間が流れていた。
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