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何度だって君を好きになる
見つめる先にいるのは、いつも決まった人。
気がつくと長澤蓮の姿を追いかけてる自分がいる。
そのことに気づいたのは、ごく最近だった。
きっかけなんてわからない…。
でも、蓮を好きだと思う瞬間がどこかにあったことだけは確かなこと。
会社の同期で、入社した頃から行動を共にしてきた僕たちは自然と仲良くなり、当たり前のように一緒にいることが多い。
そのせいか、お互いに気兼ねすることなく過ごせていたはずだった。
あの日までは…。
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「蓮君!」
「ああ、ちょっと待ってて。すぐ行く」
昼休みになると同時に蓮の名前を呼ぶ声がして、思わずドアの方へ視線を向けると違う部署の女の人が蓮に向かって手招きをしてる。
慌てたようにデスクを片付けている蓮が財布を手に持つと、
「ゴメン、今日からあの子とゴハン食べるから…。じゃあ」
それだけ言い残して僕に背を向けると駆けて行った。
一瞬、何が起こったのかわからずに目をこすってみたけど、そこにはもう蓮の姿はなくて、オフィスに一人取り残された僕。
冗談だろ…?
今までいつも一緒だったのに、いきなり一人になるなんてどうしろって言うんだよ…。
そう思ったけど、いつかはこういう日がくることもわかっていたはずだった。
だって、どちらかに彼女ができればそっちを優先するのが普通だから…。
その時が来ただけ…。
ただ…、ここがズキンと痛むのは何でなんだろう?
僕は、左胸に手を当ててグッと握る。
「痛い…」
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