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何度だって君を好きになる
こうして、僕たちは付き合うようになった。
今日も僕の見つめる先には蓮の背中があって、時々眠そうにコクコクと揺れている。
昨日の夜、あれだけ激しく抱き合ったんだから無理もないだろう…。
思い出すだけで、僕の中心がずくんと疼いてきそうになる。
どんなに身体を重ねてもすぐに蓮を欲しいと思ってしまうのは、それだけ僕が蓮のことを愛してるって証拠だから、何度だって蓮におねだりしちゃうんだ。
僕のことをぎゅっと抱きしめて、たくさんキスをして、溢れだしてくる欲望を全部受け止めてって。
僕だって、蓮の欲望を全て受け止めるよ。
こんなにも僕の中は蓮で溢れているから…
仕事中なのに、こんなことばかり考えてしまってる僕はかなり重症かもしれない。
けど、それは仕方のないこと。
目の前には愛しい連の後ろ姿があって、今もほら眠そうにゆらゆらと身体が揺れている。
僕はスッと自分の席から立ち上がると、ゆっくりと蓮の隣へと移動した。
そして、そっと顔を近づけると、耳元でふぅっと息を吹きかける。
「うわっ!」
驚いたのか、慌てて耳を押さえながら顔を上げた蓮に、静かにと伝えるように人差し指を立てて口元へ持っていくと、辺りを見渡してはっとしたように立ち上がり、「すみません」と頭を下げている。
「居眠りするなんて、まだまだだね」
「そりゃあ…だって…」
「コーヒーでも飲んで目を覚まさなきゃダメだよ」
「う、うん…」
そう言って僕はオフィスの外へと足を向ける。
蓮も僕に続くようにオフィスを出た。
すぐ近くにある休憩室へ入ると、僕は蓮に近づき、唇を重ねる…。
「ちょっ、大雅…ここ会社…」
「だって、蓮が欲しいんだもん…」
「帰ってからゆっくり…」
「ダメ…今がいいの…。蓮が悪いんだからね…居眠りなんてするから…」
「けど、早く戻らないと…」
「じゃあ、ちょっとだけ…。蓮のこと感じたい」
「ちょっとだけね…」
「うん…」
蓮の唇が重なり、差し込まれた舌を迎え入れるように絡めると、蓮の腕がシャツの中へと入り込んできて、僕の身体に指を滑らせていく…。
僕の感じるところを知りつくしてる蓮だからこそ、ほんの少し触れるだけですぐに反応してしまう。
「んっ…はぁ…蓮…」
「大雅…ほらっ…もう感じてるだろ?」
「うん…まだちょっと触れられただけなのに…」
「ここを触ったら、きっと俺が欲しくなっちゃうから…」
「触ってよ…」
「ダメ…続きは帰ってから…」
「お願いだから…」
「仕方ないなぁ…じゃあ、ちょっとだけ…」
ちゅっとキスをして、蓮の手が僕の胸の飾りに触れた。
すでに主張しているそこは、ちょっと触られただけでびくっと身体が跳ねる。
「あっ…ああ…」
「可愛い大雅…。でも、続きはやっぱり帰ってからね…今はお預け…」
「蓮…」
「そんな可愛い顔してもダメ。ほらっ、コーヒー飲んで戻るよ」
涼しい顔をして僕からスーッと離れると、蓮はコーヒーを二つのカップに注いでる。
自分から仕掛けたはずなのに、いつの間にか蓮に主導権が握られていて、何だか悔しい気持ちもするけど、僕たちの関係はこれだから成り立ってるのかもしれない。
熱くなった身体の熱が冷めるまでには、もう少し時間がかかるけど、僕たちはコーヒーを飲みながらその熱が消えていくのを待ちオフィスへ戻った。
まさかこんなに蓮を好きになるなんて思ってもいなかった。
だけどね、僕にとって蓮は本当に大切な人で、ずっとずっと側にいたいって思うんだ。
離れたくないって感じるんだ。
蓮も僕と同じ気持ちでいてくれたら、毎日が幸せだって心から思うよ。
頬杖をつきながら蓮の背中を眺めていると、蓮がふと振り返り、僕に向かって柔らかくふにゃりと笑う。
僕も、つられるように微笑んだ。
大好きな笑顔…
きっと僕たちは恋をするために出会った。
これからも僕は何度だって君を好きになる。
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