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第21話
俺は高校を卒業し、希望校の大学に無事、入学し、一人暮らしを始めた。
三年になったハルだったが、母に、俺と暮らす旨を話すに当たり、通信科の高校に編入したい、と話していた。
清明学園より遥かに授業料も安く、寮代も浮く。
二歳の妹もこれからお金がかかるだろうから、とハルは説明していた。
『気持ちは有難いけど....まさか、虐めに遭ってた、とかじゃないわよね?』
「違うよ、母さん。先輩の部屋に居候する変わりに家事とかもしたいから...通信科なら週一、レポートを提出だったり、登校日も少ないし」
俺はハルのお母さんとも電話で話した。
せめて、アパート代を折半で払いたい、と、ハルのお母さんの申し入れを俺は断った。
「ハルは料理もしてくれ、家事もしてくれ、助かってるんで。僕も授業に打ち込めて、本当に助かってるんです」
俺たちが初々しい同棲生活を始めた、なんてバレたら困るので。
「二歳、て可愛らしい年頃ですよね、これから、お金もかかると思うし...あ、ハルは栄養士になりたいって、意気込んでます」
そう。ハルは目標ができ、打ち明けてくれたのだ。
『栄養士?じゃ、病院や施設での勤務になるのかあ』
『無事、資格が取れたら、なんだけど...それに...』
『うん?』
『先輩に栄養バランスの取れた、食事、作ってあげたいから』
後ろから抱き締めていたハルが恥ずかしそうに呟いた。
俺は弁護士、ハルは栄養士、別々の目標、道だけど。
同じ部屋に住み、俺は変わらず、ずっとハルのナイトになる。ハルだけを守る。これからもずっと。
僕、ハルは色んな男の人と体を重ねてきた。
ずっと嫌だった。
たまに悪夢を見るけれど、いずれは過去のこと、と思えるようになりたい。
佐伯先輩に出逢えて本当に良かった。
もう、佐伯先輩だけのナイト-夜-だけでいい。
これからは佐伯先輩だけにナイト-夜-を捧げる。
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