20 / 21

第20話

俺は三年、ハルは二年。 「ハル」 「はい。佐伯先輩」 「ハルはどうして寮を選んだんだ?」 ハルがもどかしそうに俯いた。 「....僕の母、再婚したんです。新しい父もいい人だし、父の連れ子ですが、妹はまだ二歳で可愛い、けど、なんだか僕、浮いてしまっている気がして....それで、寮を決めました」 「そっか...。俺が卒業したら、ハル、俺は大学に通う為に一人暮らしするんだ。ハルも一緒に暮らさないか?」 即座に俺を見上げたハルの目が丸くなった。 「じゃ....邪魔じゃないですか...僕がいたら...先輩は女性が好きな訳だし....」 俺はハルを抱き締め、口付けをした。 「男とか女とか関係ない、お前が好きだ。ハル」 きょとん、としているハルの顔が、次第にどんどん赤く染まっていく。 「お前は?俺をどう思ってる?ハル」 「ど、どうって....す」 「す?」 「す、す、好きです」 耳まで真っ赤なハルを俺は思いきり強く抱き締めた。 「俺が卒業したら一緒に暮らそう、ハル。お前をここに置いていくのも心配だし、離れ離れは寂しい」 「ぼ、僕も...。先輩の為にお弁当、作れなくなるの、寂しいです....」

ともだちにシェアしよう!