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第20話
俺は三年、ハルは二年。
「ハル」
「はい。佐伯先輩」
「ハルはどうして寮を選んだんだ?」
ハルがもどかしそうに俯いた。
「....僕の母、再婚したんです。新しい父もいい人だし、父の連れ子ですが、妹はまだ二歳で可愛い、けど、なんだか僕、浮いてしまっている気がして....それで、寮を決めました」
「そっか...。俺が卒業したら、ハル、俺は大学に通う為に一人暮らしするんだ。ハルも一緒に暮らさないか?」
即座に俺を見上げたハルの目が丸くなった。
「じゃ....邪魔じゃないですか...僕がいたら...先輩は女性が好きな訳だし....」
俺はハルを抱き締め、口付けをした。
「男とか女とか関係ない、お前が好きだ。ハル」
きょとん、としているハルの顔が、次第にどんどん赤く染まっていく。
「お前は?俺をどう思ってる?ハル」
「ど、どうって....す」
「す?」
「す、す、好きです」
耳まで真っ赤なハルを俺は思いきり強く抱き締めた。
「俺が卒業したら一緒に暮らそう、ハル。お前をここに置いていくのも心配だし、離れ離れは寂しい」
「ぼ、僕も...。先輩の為にお弁当、作れなくなるの、寂しいです....」
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