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第19話

とある夜のこと。 俺はハルに背を向け、同じダブルベッドで眠る。 「....先輩」 微かなハルの声に体を捻るとハルの真っ直ぐな瞳とぶつかった。 「その...一緒にいて、もう一週間になりますが...先輩、平気ですか...?」 「...平気って、何が....?」 すぐにハルが恥ずかしそうに頬を染め、俺は意味がわかった。 ハルを抱き締め、キスをした。 唇を離すと、 「...良かった...嬉しい」 俺の胸に額を擦り寄せ、しばらくすると、すーすー可愛い寝息を立て始めた。 (...ハル、キスだけで満足するんだな) 俺は敢えて、ハルを抱いた男たちのようになりたくない、と気を利かせていたのだが... ハルは無理やり行為をせがまれ、拒めなかっただけで、心も体も純粋なんだな、とハルの寝顔を見つめながら気がついた。 俺がハルの初めての男になる。 ハルの過去を忘れさせ、幸せにする。 ハルのナイトになる。 俺はこの夜、愛おしいハルを胸に決意した。

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