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期間限定の・・・②
星斗は自分の気持ちを落ち着かせるように、少しの間を置いた。
そして、再びゆっくりと顔を上げると、眞門を強く見つめた。
「もし、あのまま最悪なDom達に最悪なことをされた夜で終わってたら、俺、Subに生まれてきたことを一生恨んでたと思います」
「・・・・・」
「Subになんかに生まれてこなきゃ良かった、そう後悔して、Subとして生まれてきたことを受け入れないで、ずっとNormalのままで生きて行こうとしてたと思います」
「・・・・・」
「眞門さんがあの夜を素晴らしい夜に変えてくれた。
そのおかげで俺はSubとして生きていっても良いかもなって、今は前向きに考えられています」
「星斗クン・・・」
「眞門さんが教えてくれたんじゃないですか、俺はこの世界の誰かの希望だって。だから、そのDomに会いたいって今は思ってます。
全てはあの夜があったお陰です。
だから、あの夜、眞門さんに会えて本当に良かった。
眞門さんはSubのみんなの理想とするDomだと思います」
「・・・・・」
「本当にありがとうございました」
星斗はもう一度、頭を深く下げた。
星斗は顔を上げると、「眞門さんも早く見つけてくださいね」と、また、眞門を見つめた。
「え?」
「眞門さんも誰かの希望なんですよ。だから、早く、そのSubを見つけてあげてください」
星斗はそう言うと、照れて微笑んだ。
「それじゃあ。本当にありがとうございました」
星斗はそう言い終わると、背を向けた。
星斗が一歩を踏み出そうとした瞬間、
「・・・待った!」
と、眞門の右手が星斗の右手首を掴んだ。
「! えっ?!」
と、振り返る星斗。
「星斗クンは俺のことが嫌いじゃないんだよね?」
「え?」
「嫌いじゃないんだよね?」
「はい・・・まあ・・・」
「分かった。じゃあ、その首輪は俺が外すよ」
「えっ?」
「星斗クンが運命の人と出会うには、その首輪が邪魔なわけだろう。だったら、俺がその首輪を外すしかないじゃないか」
「・・・・・」
「その首輪をつけた責任は俺にあるんだから、当然だよ。それに、星斗クンには絶対に運命の人に出会ってもらいたい」
「・・・・・」
「その役割を俺が担いたい」
「・・・・・」
「星斗クン。俺を星斗クンの期間限定のパートナーにしてください」
「いや、でも・・・これ以上、眞門さんにご迷惑をおかけするわけには・・・」
と、星斗は返答に迷った。
「星斗クン、ここは甘えて欲しいな。Subなんだから。遠慮せずに、Domの俺に甘えて」
「・・・・・」
星斗はまだ返答に迷う。
と、眞門は何かを感じ取ったのか、そっと星斗の耳元に近づくと、「セックスはしないって約束する」と、囁いた。
「え!?」と、思わず驚く星斗。
まさか、眞門がDomならでは何らかの特殊能力を駆使して、自分の心を覗いてしまったのか!?と、星斗は一瞬驚いてしまった。
パートナーになれば、眞門とまたセックスすることになるんじゃ・・・?
そう考えてしまうと、あの夜の醜態を晒した自分の姿を思い出し、どうしても戸惑ってしまうのだ。
「Playは別にセックスがなくても良いんだよ」
「そうなんですか・・・」
「試しにやってみよう、俺たちの相性も確かめなきゃいけないし」
「はい・・・」
眞門は優しく微笑むと、「週末空いてる? 空いてるよね?」と、決めつける様に言葉にされた。
「えっ・・・」と、思わず、戸惑いの声をあげてみた星斗。
まただ・・・。
だから、なんで、みんな、そうやって決めつけるの・・・?!
無職でも予定が詰まってるかもしれないじゃん・・・と、心の中で愚痴りながらも、「・・・はい、空いてます」と、星斗は正直に現状を認めた。
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