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第1話
「…っいつっ!」
先輩が思わずもらした声を聞いて、僕は急いでほんの少し押し込んでいたモノを先輩から引き抜いた。背後から彼の腰を掴んでいたので顔は見えなかったが、先輩が小さくついたため息に落胆の響きを聴いて、僕のモノは情けなく縮こまってしまった。
「すみません」
謝る僕の声に、先輩はあわてて起き上がった。
「気にすんなよ!しょうがないさ、俺が相手じゃ」
頭をかきながら笑う先輩を見て、切ない気持ちでいっぱいになった僕は、彼を思いきり抱きしめた。
先輩は、自分は痩せっぽちで筋張っていて女の子のような柔らかい胸はないし、股間には余計な一物が付いているし、結局男で性的魅力に欠けるから僕がその気になりにくいと思っている。だが、それは全然違う。
僕の腕の中にすっぽりと収まった小柄な先輩は、僕の胸に頭を預けてまた小さく息を吐いた。
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