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第2話

先輩は高校のふたつ上の学年で、男子バレー部に所属している。 身長が163センチなので、ポジションはリベロだ。 俊敏なフットワークでどんな球でもひろいまくり、セッターに正確に返す。背の高い他の部員たちも敵わない。2、30センチのリーチの差を一歩も二歩も多く出ることでカバーしている。 体は小さくても器の大きい先輩は、自校やライバル校の部員たちからちびっこあつかいされても、いつも豪快に笑い飛ばし、気にするそぶりを見せない。人一倍努力することでハンデを補う技術を身につけ、小さいことを揶揄する声を、実力でねじ伏せる。 試合やキツい練習中に熱い檄で部員たちを鼓舞する姿は実に頼もしく、昨年秋にエースアタッカーやセッターを差し置いて、満場一致でキャプテンに選ばれたそうだ。 そんな先輩に比べ僕はといえば、背が高いこと以外何もかも冴えない。

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