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第3話
小学生の頃から大きいほうではあったが、中学時代に30センチ近くも身長が伸び、卒業する頃には180センチを超えていた。卒業式でクラスメートのバレー部員やバスケ部員に入部して欲しかったと言われた。
しかし世の中そんなに上手く行かない。学校一高身長の僕は、スポーツに対する才能が全くない、残念なウドの大木だ。
ボールを蹴れば空振りし、ドリブルすれば足が絡まって転び、ゴロをとれば腰が高くてトンネルする。そんな姿をよく笑われ、時にがっかりされて来て、僕は自分に自信の無い、内気で不器用なただの大男になっていた。
高校に入ってやはり大きな身長が目を引き、多くの運動部が勧誘に来たが、ことごとく断った。だが中学時代の友人の頼みは断り切れず、どうせまた笑われるのに、と嫌々参加する事になったバレー部の体験入部で僕は運命の人と出会った。
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