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第3話
僕は、早速帝のいる所に行く事に
した。いつまでも、おばぁさんに
面倒を掛けるのはいけないと思った
からだ。
『じゃあ、僕行きますね。
ありがとうございました。』
「あぁ、また会いに来るんだよ」
『はい。絶対に来ます』
道案内は、おばぁさんの孫がして
くれる事になった。
「僕達のために、ありがとう
ございます」
『いえ。僕何もする事もないし
助けて貰ったお礼がしたかったので』
「あなたは、本当に優しいのですね
帝もさぞ喜ぶと思います」
『そうだといいんだけど』
「大丈夫ですよ。絶対気に入られ
ますよ」
話をしている内に、城について
しまった。
「ようこそ、いらしゃいました。
帝の正妻になりたい方ですよね?」
正妻?聞いてないぞ、そんなの
話相手になればいいんじゃないの?
そう思ったが、後には引けない。
『はい。そうです。あの僕男
なんですけど、大丈夫なんですか?』
恐る恐る聞いてみた。
ダメだと言って欲しかった。
「はい。大丈夫です。秘策があり
ますから。あなたはラッキーです。
もう、締め切ろうとしていた所
でしたから」
(いっそ、締め切ればよかったのに)
心の中で、そう思ってしまう自分は
悪い人間なのだろうか。
そう、思っていると案内人が部屋に
通してくれた。
「今日は、休んでください。
明日から、検査が始まります」
検査って何だろう?
聞きたかったが怖い
ので、聞かなかった。
『分かりました。ありがとう
ございました。』
礼をいうと、驚いた顔をしていた。
「私に礼などいう人は初めて
です。」
『何でですか。礼をいうのは
当たり前です。』
「あなたなら、帝も気に入られる
でしょう」
『えっ、何か言いましたか?」
「い、いえ。何でもございません。
失礼しました。」
そういうと、いってしまった。
(この部屋に一人でいるのは
寂しいな)
そう思いながら、美樹は休んだ。
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