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転生
事故に遭った。
激しい痛みは一瞬で、すぐ何も感じなくなった。
目の前が真っ暗になって、それから真っ白になって・・・。
───俺、死んじゃったんだ。
辺りを見渡しても白いだけで、何もなさそう。
天国か地獄かの判断も出来ない。
このまま、この白だけの世界に淘汰されてくのかなって、ちょっと悲しくなってきた頃。
『次ノ人生デハ、職業モシクハ種族ヲ選択スルコトガ可能デス』
・・・・・・・・・は?
なんか、機械的な音声が聞こえてきた。
職業もしくは種族を選択?
何それ、まるでゲームじゃん。
え、俺って死んだんじゃなかったの?
もしかして夢?
『職業ト種族ノドチラヲ選択シマスカ?』
えー・・・。
どちらをって言われても、どんな職業や種族があんのかわかんないんじゃ、選びようがないじゃん。
『職業ニハ、勇者、僧侶、魔法使イ、魔王ナドガアリマス。種族ハ・・・様々デス。ドチラカヲ選択スルト、モウ一方ハらんだむニ選択サレマス』
ふーん。
種族は様々って・・・説明ハショられたし。
完全にRPGの世界だな。
つか、職業魔王にしとけば種族なんて何でもいいんじゃね?
だって魔王じゃん。
『職業、魔王ヲ選択シマスカ?』
はいはい、魔王を選択しますよっと。
・・・お、なんか、少しずつ暗くなってきた?
・・・って、おい、ちょっと苦しいんだけど?
え、なんか狭い?
なんだよこれ、俺閉じ込められてるっぽいんだけど!?
ちょ、開けて、出して、苦しいからっ!
たっ、助けてえーーーっ!!
苦し紛れに突き出した腕が、何かを破った気がした。
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