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第1話
いつものように仕事を終え、愛する妻と息子の待つマンションに帰ったところ、そこには真っ暗な闇とその中に泣きもせず虚ろな目でぼく、桃田陽輔(ももたようすけ)を見つめている息子、悠太郎(ゆうたろう)の姿があった。
一体何が起きたのか。
頭の中の整理がつかないまま、ぼくはリビングの電気をつけ、悠太郎を抱くと、妻のスマホに電話をかけた。
長いコール音。
けれど妻が電話に出る事はなく、しばらくするとメッセージが送られてきた。
『あなたといても何の刺激もなく、子供の面倒だけ見て生きていく事が嫌になりました。そんな時、私を再び輝かせてくれる人に出会いました。その人と幸せになりますので、どうか探さないでください。離婚届は後日送ります』
一方的に書かれたメッセージ。
ぼくはショックでスマホを落としていた。
その物音で大泣きしてしまう悠太郎。
何かが起こったと気づいたんだろう、下に住んでいる大家さんが来てくれた。
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