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第25話

翌朝、ぼくは母よりも早く起きて動画を見ながら卵焼きを作った。 卵を割るのに少し失敗して殻を取り出すのに余計な時間をかけてしまったけど、教えてもらった通りにやる事が出来、画像をメッセージで送信していた。 「あら、卵焼きなんて作ってどうしたの?」 「幼稚園がお弁当だから料理を覚えようって園の先生に言われて……」 母に食べてもらったけど、悪くはなかったらしい。 「ちょっと砂糖足りなかったけど、悠太郎に食べさせるならこのくらいがいいかもしれないわね」 普段料理をしている母に言われて、ぼくはホッとした。 今日もお昼は、はると先生のお宅で料理を教わる事になっていたぼく。 幼稚園で働いている時の動きやすい服装でと言われていたので深緑色のパーカーと黒のジーンズ、キャラクターの書かれたエプロンを着ると、上靴、筆記用具、悠太郎の着替えを入れたリュックを背負い、悠太郎を連れて園に向かった。

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