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第46話
4月に入り、いよいよ幼稚園の新年度が始まった。
ぼくは早起きをして2人分のお弁当と朝ご飯を作り、悠太郎を起こすと一緒に食べて幼稚園に出かける準備をし、幼稚園に登園した。
「おはようございます!」
「おーすっ!!悠太郎、今日から年少さんだぞ?頑張れよ!!」
「うん!!パパとがんばる!!」
玄関には、はるか先生がいて笑顔でぼく達を迎えてくれた。
「うーす」
玄関で靴を履いてると、浩の声がした。
「ひろせんせい、おはようございます!!」
「お、おはよう」
こうやって幼稚園で会うと挨拶をして、とりとめのない会話もするようになって、前よりは距離が近くなったけど、あの日以来浩とは何もない。
でも、ぼくは会う度にあの日のコトを思い出しちゃって、すごくドキドキするんだ。
「悠太郎、パパ、ちゃんと弁当作れたのか?」
「たまごやきとおにぎりあったよ!!あとミニトマトをあらって、あとはミートボールのえのついてるふくろをおゆにいれてた!!」
「あー、パパちょっとズルしたんだなー、でもパパ、頑張ったな。よし、今日はひろ先生がお祝いに悠太郎の好きなモン作ってやるからな!楽しみにしてろよ!!」
「えっ!?」
ぼくは浩の言葉に固まってしまう。
その後、ぼくのスマホには連絡先を交換した浩から、
『今日、メシ作ってやるから悠太郎寝かせたら相手しろよ』
っていうメッセージが届いていた。
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