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第88話

それから、杜さんは先生方の音楽活動を支援したい、という話をして、ぼくも出る事になっている夏休み中に開催のオンラインライブは、杜さんの持ち物であるコンサートホールでやる事になった。 「もも先生、8月の中ごろにはピアノ教室も開校しますので、そちらでもよろしくお願いしますね!」 「は、はい、こちらこそ……」 すごい、あの話からそんなに経ってないのに、もう具体的な日にちが決まっているなんて。 杜さんと握手をしながら、ぼくはそう思った。 その後、皆さんで花火をして帰ったんだけど、悠太郎は終始仲良しのお友達と楽しく過ごしていて可愛い写真が沢山撮れた。 「…………」 帰りの車の中で、疲れて眠ってしまった悠太郎を抱きながら、今日撮影した画像を眺める。 『ゆうたろうくん!』 最後に撮影した、はるみくんが悠太郎の頬にキスをしている画像。 『ゆうたろうくんはボクのbest friendだからね!』 『うん!』 そう言って笑いあってたけど、ぼくはちょっとだけ不安になった。 子供だからまだ性の事とか分かってる訳はないと思うけど、悠太郎には出来れば普通の恋愛をして欲しい。 ……あぁ、でもそれってぼくのワガママかな。

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