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第87話
「でも、いいの?せっかくの父の日なのに家族で過ごさなくて」
「昨日、うちでpartyしたからNo problemだよ。それに僕のwifeがいたらキミたち気を遣わなきゃいけなくなるでしょ?」
はると先生の言葉に杜さんはそう言ってウインクする。
「……君、ホント変わったね」
「あれから10年は過ぎてるんだからnaturalyな事じゃない?それに……僕は変わりたかったんだ」
「…………」
杜さんの言葉に、先生方は黙ってしまう。
「NoNo!お互いに過去のnegativeな事は忘れようよ!僕はEnglandに行ってすごく充実した日々を過ごしてきたし、wifeにも可愛い春海にもめぐり逢えたからすごくvery happyだよ!僕たちは幼稚園からのbest friend、それでいいじゃない。そう思ったから僕は、君たちの名前から一字もらって息子の名前を付けたんだ」
「……お前がそれでいいならいいけど」
はるか先生が口を開く。
「Of courseだよ、春楓」
そう言って、杜さんは春楓を抱き締めて頬にキスをした。
「……ちょっと、春楓に何するの!?」
「お子さんが見ている前でやめてくれない?」
はると先生とはるき先生が怖い顔で杜さんを見る。
「お、お前らこそ、その顔やめろ!!」
慌てているはるか先生。
ぼくはびっくりして、悠太郎に取り分けていたお肉を落としそうになった。
「せんせい、どうしたの?」
「あ、あぁ、ごめんね、急にお腹が痛くなっちゃって……」
「僕もだよ、食べ過ぎちゃったかな……」
はるみくんに聞かれて、先生方は咄嗟に誤魔化す。
「パパ、はるかせんせいとbest friendなんだね!!」
「Yes、はると先生とはるき先生もだよ!!」
「ちょっと、やめてよ!明日南!!」
「!!」
ニコニコしているはるみくんの前で、杜さんがはると先生にもはるき先生にも頬にキスをする。
取り乱してるはると先生、初めて見たかも。
「みんななかよしなんだね」
「そ、そうだね……」
笑顔で話す悠太郎に、ぼくは何とか笑顔を作って応えた。
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