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第151話
「あ、やべっ、日付変わってんじゃん」
後始末を済ませて布団を敷いていると、浩がそんな事を言い出す。
「ちょっとソファ座って目閉じて」
「う、うん……」
まだ途中だったけど、ぼくは浩に言われた通りにした。
「…………」
腕を少し引っ張られたと思ったら、何かが触れて少しだけヒヤリとした感じがする。
「開けていいぞ」
「え……っ!?」
目を開けると、腕時計が視界に飛び込んできた。
黒い縁に星空の背景が綺麗な腕時計。
文字盤には数字ではなく宝石みたいなのが所々ついていて、見るからに高そうだった。
「イイだろ?お前に似合うと思ってさ」
「……こんな……こんな立派なのぼくには似合わないよ。っていうか浩、今日はぼくをどれだけ泣かせたいの……?」
その気持ちがすごく嬉しくて、ぼくはまた泣いてしまってた。
「お前が勝手に泣いてるだけだろ?……遅れたけど、誕生日おめでとう、ヨースケ」
ぼくの頭を撫でて、涙を拭いてくれて、
浩はそのとびきりの笑顔と優しい声でぼくにこう言ってキスしてくれた。
今年もあとわずか。
色々あったけど、幸せな気持ちで終わりそうだ。
来年からはきっと、こんな気持ちがずっとずっと続いていくんだとぼくは思った。
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