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よしののおまけ-えち編***

 投票ありがとうございました!接近していたので、こちらも書きました。  これで本当に終わりです。  お付き合いいただき、ありがとうございます! *****  眠れない。  吉野はベッドの中で相変わらず律に抱きつかれながら、悶々としていた。一度シたあとなので、本来なら緩やかな眠気に襲われるはずなのだけれど、その眠気はいつまで経ってもこなかった。要するに、  足りない。  律が足りない。あんなに鳴かされたあとなのに、今だって律の鼻先は吉野の裸の肩にうずめられて、背後に律の体温と寝息を感じるのに、足りない。腹に緩く回された腕を、指先でなぞる。前腕を撫でて、大きな骨ばった手のひらの輪郭をなぞる。  この手がさっきまで吉野の頭を撫でていた。「吉野くん、いい子」と何度も何度も耳元で囁かれた。今だって思い出せる。低くて甘い声で、下腹部に響く声だ。  また言われたい。今、言われたい。  脳裏で勝手に再生される「吉野くん、いい子」に腰が疼く。今は吉野の腹に回されている手で、からだ中を愛撫して欲しい。  ちょっとなら意地悪されてもいい。乳首を指の腹で潰して、爪で引っ掻いて、摘まんで、無理矢理勃たせておいて、楽しそうに「吉野くんのえっち」って言われてもいい。 「うう……」  そんな想像だけで、からだが熱くなる。律はうしろで相変わらず寝息を立てている。起こしてしまおうか、とも思う。けれど何と言って起こせばいいんだ。まさか「足りないから、もう一回して」なんて言えない。  すん、と背後の律が鼻を鳴らしたので、びく、と吉野の肩が揺れた。起きているのだろうか。 「律、さん?」  呼んでみるけれど、返ってくるのは規則正しい寝息ばかりだ。溜め息を吐く。当たり前だ。  ただ意識すると、律の呼吸が微かに剥き出しの肩にかかっているのがわかって、それだけでもどきどきした。  律の手のひらが吉野の腹を軽く撫でる。 「ん……っ」  突然のことに声が漏れそうになって、吉野は慌てて両手で口を覆った。ソウイウことを考えているから、ただの寝相がこんなふうに感じられるのだ。わかってはいるけれど、熱を溜め込んだからだはそうはいかない。  片手で口を覆って、律がするようにからだを撫でていく。鎖骨のラインをなぞって、そっと手のひらを下へ移動させる。手のひらで、もう既に勃っている乳首を転がす。 「ん、ふ……」  背後ではいつ目覚めるかわからない律が眠っている、という事実に背徳感と興奮を覚える。  これ、ハマったら、やばいかも。  律の指の動きを意識してからだの線を撫でていく。太腿のつけ根に指を這わせた頃には、先走りでべたべたになっていた。  こんなことしてるなんて、律さんには言えない。  頭ではそう思っているのに、吉野の手は自身への愛撫をしはじめる。ゆるゆると扱いて、熱を集めていく。手のひらで先端をやわやわと撫でる。 「は……ぁ」  塞いだ手のひらの間から、息と一緒に押し殺した喘ぎ声が漏れる。律には聞こえているのだろうか。どうか聞かないでいて欲しい。それと同じくらい聞こえていて欲しい。  くちゅ、くちゅ、と水音が立つ。この音ばかりは消せないので、せめて控えめな愛撫になる。それがじれったくて、腰をもぞもぞと動かしてしまう。もうちょっとでいけるのだ。意識が下半身に集中する。 「吉野くんの悪い子」  突然耳元で囁かれて、吉野はびくりと大きく肩を揺らした。羞恥と後悔と、それ以外にも色々な感情が相まって、うしろを振り返れない。その間にも律の手のひらは吉野の腹をやわやわと撫でる。 「ひとりでしてたの?」  耳元で問われる。それに頷くには勇気がいった。目に涙が浮かぶ。けれど返事をすると、律の手のひらは吉野の下腹部を撫で上げてくれる。ずっと欲しかった刺激に「んん……っ」と声が漏れそうになる。  でも触って欲しいのはそこじゃない。律はわかっていて、わざと直接的には触らないつもりらしい。下腹部を撫でていた手のひらは、今度は太腿の内側の際どいところを触っている。 「りつ、せんせぇ」  もう我慢できない。吉野は涙目で律に懇願する。  律は小さく笑って「その呼び方、久し振り」と言った。 「触って欲しい?」  耳元で背後から律に訊かれる。それに、こくこく、と吉野は何度も頷く。 「も、ちょっと、なの」  吉野が懇願すると、背中で律がくすくす笑う。「うん、知ってる」  そう言うと、律は吉野自身を手のひらで包んで、ようやく欲しかった刺激をくれる。 「ん、んん……っ」  相変わらず吉野は声を押し殺していると、口を覆う手を律のもう片方の手に掴まれた。 「声、聴かせて」  それと同時に律動が速くなる。 「あ、やぁ……んっ」  くちゅ、くちゅ、という水音が大きくなる。頭が何も考えなくなる。 「吉野くん、いい子だから」  律が耳元で囁く。  同時に、吉野は律の手の中に、どろりと白濁を吐き出した。

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