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プロローグ・2

 優希は、ピンときた。  こんな顔の要人を見るのは、これが初めてじゃない。  そして、その後に続く言葉も知っている。 「ちょっと付き合ってくれないか、優希」  軽いため息を同意の返事の代わりに、優希は要人と連れ立っていつもの場所に立ち寄った。   幼い頃は薬局だったその土地は、今では小洒落たカフェが入っている。  ベーグルが美味しいと評判の、チェーン店。  要人はここのベーコンエッグサンドが好物だったが、今日はブルーベリーを注文した。 「ブルーベリーは、目に良いらしいんだ」 「君は年を取ったら健康オタクになりそうだな」  そう言いながらも要人に付き合い、優希は甘い蜂蜜とクリームチーズのベーグルを注文した。  席につき、しばらく無言で口を動かしていた要人だったが、唐突に優希の瞳を覗き込みながらぼそりと呟いた。 「俺、何か性格に欠点があるのかな」  本人は、極めて深刻に悩んでいるのだろうが、優希はその言葉に軽く噴き出した。 「また、別れたんだな。女の子と」  容姿端麗、頭脳明晰、そして明るい人柄と、彼に憧れる少女はごまんといる事を優希は知っている。  そして、そんな彼に勇気を出して、本気で交際を求めてきた少女が、これまで何人いたかも知っている。

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