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第一章・4
今朝の要人は、やけに機嫌がいいな。
優希は、そんな風に考えていた。
昨日は、ひっくり返るくらい驚いた。
いや、正確に言うなら一昨日からだ。
『あの、な。優希。俺と付き合って……、くれないか?』
あんなことを言いだすなんて。
『そうじゃなくて。その、友達としてじゃなくて……、あの、もっと……』
こんな事を言いだすなんて。
そして、僕はその手をとった。
振り払わずに、そっと握った。
僕も、要人が好きだったから。
恋人だとか、付き合うだとか、そういう事はよく解からない。
要人は要人。
昨日と同じ要人。
何かこれから、変わったことになっていくのかな。
変わった接し方をしていくのかな。
それは、日々に任せることにした。
時間の経過が、何らかの答えを出すだろう。
ただ、今朝の要人はやけに機嫌がよかった。
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